しなぷすのハード製作記

「基本論理ゲート」の解説

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2019年06月19日 更新。
用語:基本論理ゲート
読み:きほんろんりゲート
同義語・似た意味の言葉:基本ゲート論理ゲート基本論理回路
このページで解説している他の用語:AND回路ANDゲート論理積論理積回路OR回路ORゲート論理和論理和回路NAND回路NANDゲート否定論理積否定論理積回路NOR回路NORゲート否定論理和否定論理和回路XOR回路XORゲートExOR回路ExORゲート排他的論理和排他的論理和回路不一致検出回路

概要

基本論理ゲートとは、低い電圧(L)と高い電圧(H)の2種類の信号電圧しか扱わない二値論理回路(以下、単に「論理回路」と言います)の中で、特に基本的な、2入力または1入力で1出力の物を指します。一般的には、NOT回路AND回路OR回路NAND回路NOR回路XOR回路の6種類が、基本論理ゲートと呼ばれる事が多いです。またNAND回路、NOR回路、およびXOR回路は、NOT回路、AND回路およびOR回路の組み合わせで構成できるため、NOT回路、AND回路およびOR回路の3つを基本論理ゲートと呼ぶ場合もあります。基本論理ゲートは、単に基本ゲートと呼ばれる事もあり、基本論理回路と呼ばれる事もあります。

後述する様に、AND回路、OR回路、NAND回路、およびNOR回路は、自然な形で3入力以上に拡張できます。これらの多入力のAND回路、OR回路、NAND回路、およびNOR回路も、基本論理ゲートに含める場合があります。

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NOT回路(NOTゲート、論理反転回路、論理否定回路、インバータ)

NOT回路とは、1入力1出力の論理回路で、入力電圧の反対の電圧を出力する物を指します。つまり、入力電圧をX、出力電圧をYとすると、X=Lの時はY=Hとなり、X=Hの時はY=Lとなります。NOT回路は、NOTゲート論理反転回路論理否定回路、あるいはインバータとも呼ばれます。

NOT回路の回路記号を図1に、真理値表を表1に示します。

図1、NOT回路
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図1、NOT回路
表1、NOT回路の真理値表
入力電圧 出力電圧
X Y
L H
H L

NOT回路の持つ「入力電圧と反対の電圧を出力する」という作用や、NOT回路で論理演算した結果(NOT回路の出力信号)は、論理反転あるいは論理否定と呼ばれます。例えば、「信号YはXの論理反転(論理否定)である」とか「Xを論理否定(論理反転)するとYが得られる」という具合に使います。

NOT回路の詳しい話は、この用語集のNOT回路のページでご覧ください。

AND回路(ANDゲート、論理積回路)

AND回路とは、2入力1出力の論理回路で、2つの入力電圧が共にHの時だけ出力電圧がHになり、2つの入力電圧の内1つでもLの場合は出力電圧がLになる物を指します。AND回路は、ANDゲートまたは論理積回路とも呼ばれます。

AND回路の回路記号を図2に、真理値表を表2に示します。

図2、AND回路の回路記号
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図2、AND回路の回路記号
表2、AND回路の真理値表
入力電圧 出力電圧
A B Y
L L L
L H L
H L L
H H H

またAND回路は、3つ以上の入力に拡張する事ができます。

3つ以上の入力にAND回路を拡張する場合は、「全ての入力電圧がHの場合にだけ出力電圧がHになり、入力電圧の内1つでもLの場合は出力電圧がLになる」様に動作を定義します。(2入力のAND回路の動作も、この定義に従っている事を確認してみてください)

3入力のAND回路の回路記号を図3に、真理値表を表3に示します。

図3、3入力のAND回路の回路記号
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図3、3入力のAND回路の回路記号
表3、3入力のAND回路の真理値表
入力電圧 出力電圧
A B C Y
L L L L
L L H L
L H L L
L H H L
H L L L
H L H L
H H L L
H H H H

3入力のAND回路は、2入力のAND回路を2個使って等価回路を作る事ができます。その等価回路を図4に示します。

図4、2入力のAND回路2個で構成した3入力のAND回路の等価回路
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図4、2入力のAND回路2個で構成した3入力のAND回路の等価回路

また一般に、N入力(Nは自然数)のAND回路は、N-1個の2入力のAND回路により等価回路を作る事ができます。

AND回路の入力端子の数が非常に多い場合は、AND回路の回路記号の入力端子が接続される直線を、図5に示す様に延長します。

図5、6入力AND回路の回路記号
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図5、6入力AND回路の回路記号

AND回路の持つ「全ての入力電圧がHの場合にだけ出力電圧がHになり、入力電圧の内1つでもLの場合は出力電圧がLになる」という作用や、AND回路で論理演算した結果(AND回路の出力信号)は、論理積と呼ばれます。例えば「信号Yは、AとBの論理積である」とか、「AとBの論理積を取ればYが得られる」という具合に使われます。

OR回路(ORゲート、論理和回路)

OR回路とは、2入力1出力の論理回路で、2つの入力電圧の内1つでもHの場合には出力電圧がHになり、2つの入力電圧が共にLになる場合だけ出力電圧がLになる物を指します。OR回路は、ORゲートまたは論理和回路とも呼ばれます。

OR回路の回路記号を図6に、真理値表を表4に示します。

図6、OR回路の回路記号
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図6、OR回路の回路記号
表4、OR回路の真理値表
入力電圧 出力電圧
A B Y
L L L
L H H
H L H
H H H

またOR回路は、3つ以上の入力に拡張する事ができます。

3つ以上の入力にOR回路を拡張する場合は、「入力電圧の内1つでもHの場合には出力電圧がHになり、全ての入力電圧がLの場合にだけ出力電圧がLになる」様に動作を定義します。(2入力のOR回路の動作も、この定義に従っている事を確認してみてください)

3入力のOR回路の回路記号を図7に、真理値表を表5に示します。

図7、3入力のOR回路の回路記号
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図7、3入力のOR回路の回路記号
表5、3入力のOR回路の真理値表
入力電圧 出力電圧
A B C Y
L L L L
L L H H
L H L H
L H H H
H L L H
H L H H
H H L H
H H H H

3入力のOR回路は、2入力のOR回路を2個使って等価回路を作る事ができます。その等価回路を図8に示します。

図8、2入力のOR回路2個で構成した3入力のOR回路の等価回路
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図8、2入力のOR回路2個で構成した3入力のOR回路の等価回路

また一般に、N入力(Nは自然数)のOR回路は、N-1個の2入力のOR回路により等価回路を作る事ができます。

OR回路の入力端子の数が非常に多い場合は、OR回路の回路記号の入力端子が接続される曲線を、図9に示す様に延長します。

図9、6入力OR回路の回路記号
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図9、6入力OR回路の回路記号

OR回路の持つ「入力電圧の内1つでもHの場合には出力電圧がHになり、全ての入力電圧がLの場合にだけ出力電圧がLになる」という作用や、OR回路で論理演算した結果(OR回路の出力信号)は、論理和と呼ばれます。例えば「信号Yは、AとBの論理和である」とか、「AとBの論理和を取ればYが得られる」という具合に使われます。

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NAND回路(NANDゲート、否定論理積回路)

NAND回路とは、2入力1出力の論理回路で、2つの入力電圧が共にHの時だけ出力電圧がLになり、2つの入力電圧の内1つでもLの場合は出力電圧がHになる物を指します。NAND回路は、NANDゲートまたは否定論理積回路とも呼ばれます。

NAND回路の回路記号を図10に、真理値表を表6に示します。

図10、NAND回路の回路記号
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図10、NAND回路の回路記号
表6、NAND回路の真理値表
入力電圧 出力電圧
A B Y
L L H
L H H
H L H
H H L

NAND回路は、AND回路の出力電圧を論理反転した物なので、AND回路の出力をNOT回路に入力する事により、NAND回路の等価回路を構成する事ができます。(図11参照)

図11、1つのAND回路と1つのNOT回路で構成したNAND回路の等価回路
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図11、1つのAND回路と1つのNOT回路で構成したNAND回路の等価回路

またNAND回路は、3つ以上の入力に拡張する事ができます。

3つ以上の入力にNAND回路を拡張する場合は、「全ての入力電圧がHの場合だけ出力電圧がLになり、入力電圧の内1つでもLの場合は出力信号がHになる」様に動作を定義します。(2入力のNAND回路の動作も、この定義に従っている事を確認してみてください)

3入力のNAND回路の回路記号を図12に、真理値表を表7に示します。

図12、3入力のNAND回路の回路記号
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図12、3入力のNAND回路の回路記号
表7、3入力のNAND回路の真理値表
入力電圧 出力電圧
A B C Y
L L L H
L L H H
L H L H
L H H H
H L L H
H L H H
H H L H
H H H L

N入力(Nは自然数)のNAND回路の等価回路は、N入力AND回路の出力をNOT回路に入力する事により構成できます。N=3の場合として、3入力のNAND回路の等価回路を、1つの3入力AND回路と1つのNOT回路を用いて構成した例を図13の中段の回路図に示します。

図13、3入力NAND回路の等価回路
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図13、3入力NAND回路の等価回路

さらに、3入力AND回路の等価回路は、2つの2入力AND回路で構成できますから(図4参照)、3入力NAND回路の等価回路は、2つの2入力AND回路と1つのNOT回路でも構成できます。(図13の下段の回路図参照)

話を一般化すると、N入力NAND回路の等価回路は、N-1個の2入力AND回路と1つのNOT回路で構成できます。

NAND回路の入力端子の数が非常に多い場合は、AND回路と同様、図14の様に表記します。

図14、6入力NAND回路の回路記号
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図14、6入力NAND回路の回路記号

NAND回路の持つ「全ての入力電圧がHの場合にだけ出力電圧がLになり、入力電圧の内1つでもLの場合は出力電圧がHになる」という作用や、NAND回路で論理演算した結果(NAND回路の出力信号)は、否定論理積と呼ばれます。例えば「信号Yは、AとBの否定論理積である」とか、「AとBの否定論理積を取ればYが得られる」という具合に使われます。

NOR回路(NORゲート、否定論理和回路)

NOR回路とは、2入力1出力の論理回路で、2つの入力電圧の内1つでもHの場合には出力電圧がLになり、2つの入力電圧が共にLになる場合だけ出力電圧がHになる物を指します。NOR回路は、NORゲートまたは否定論理和回路とも呼ばれます。

NOR回路の回路記号を図15に、真理値表を表8に示します。

図15、NOR回路の回路記号
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図15、NOR回路の回路記号
表8、NOR回路の真理値表
入力電圧 出力電圧
A B Y
L L H
L H L
H L L
H H L

NOR回路は、OR回路の出力電圧を,した物なので、OR回路の出力をNOT回路に入力する事により、NOR回路の等価回路を構成する事ができます。(図16参照)

図16、1つのOR回路と1つのNOT回路で構成したNOR回路の等価回路
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図16、1つのOR回路と1つのNOT回路で構成したNOR回路の等価回路

またNOR回路は、3つ以上の入力に拡張する事ができます。

3つ以上の入力にNOR回路を拡張する場合は、「入力電圧の内1つでもHの場合は出力電圧がLになり、全ての入力電圧がLの場合だけ出力信号がHになる」様に動作を定義します。(2入力のNOR回路の動作も、この定義に従っている事を確認してみてください)

3入力のNOR回路の回路記号を図17に、真理値表を表9に示します。

図17、3入力のNOR回路の回路記号
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図17、3入力のNOR回路の回路記号
表9、3入力のNOR回路の真理値表
入力電圧 出力電圧
A B C Y
L L L H
L L H L
L H L L
L H H L
H L L L
H L H L
H H L L
H H H L

N入力(Nは自然数)のNOR回路の等価回路は、N入力OR回路の出力をNOT回路に入力する事により構成できます。N=3の場合として、3入力のNAND回路の等価回路を、1つの3入力AND回路と1つのNOT回路を用いて構成した例を図18の中段の回路図に示します。

図18、3入力NOR回路の等価回路
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図18、3入力NOR回路の等価回路

さらに、3入力OR回路の等価回路は、2つの2入力OR回路で構成できますから(図8参照)、3入力NOR回路の等価回路は、2つの2入力OR回路と1つのNOT回路でも構成できます。(図18の下段の回路図参照)

話を一般化すると、N入力NOR回路の等価回路は、N-1個の2入力OR回路と1つのNOT回路で構成できます。

NOR回路の入力端子の数が非常に多い場合は、OR回路と同様、図19の様に表記します。

図19、6入力NOR回路の等価回路
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図19、6入力NOR回路の等価回路

NOR回路の持つ「入力電圧の内1つでもHの場合には出力電圧がLになり、全ての入力電圧がLの場合にだけ出力電圧がHになる」という作用や、NOR回路で論理演算した結果(NOR回路の出力信号)は、否定論理和と呼ばれます。例えば「信号Yは、AとBの否定論理和である」とか、「AとBの否定論理和を取ればYが得られる」という具合に使われます。

XOR回路(XORゲート、ExOR回路、ExORゲート、排他的論理和回路、不一致検出回路)

XOR回路とは、2入力1出力の論理回路で、2つの入力電圧の内1つだけがHの場合には出力電圧がHになり、入力電圧の中でHの数が0個または2つの場合には出力電圧がLになる物を指します。XOR回路は、XORゲートExOR回路、ExORゲート、排他的論理和回路、または不一致検出回路とも呼ばれます。

論理和回路(OR回路)は2つの入力電圧の内どちらか1つでもHの場合には出力電圧がHになり、2つの入力電圧が共にLになる場合だけ出力電圧がLになる論理回路でした。XOR回路の場合は、2つの入力電圧が共にHの場合に出力電圧をLとする所が論理和回路と異なる(他の入力電圧の場合は論理和回路と同じ出力電圧になる)事から、「排他的」論理和回路と呼ばれます。

排他的論理和回路がXOR回路やExOR回路と呼ばれるのは、排他的論理和を英訳するとexclusive orになる事に由来しています。

また、不一致検出回路と呼ばれるのは、2つの入力電圧が異なる時に出力電圧がH、2つの入力電圧が同じ時に出力電圧がLになるからです。

OR回路の回路記号を図20に、真理値表を表10に示します。

図20、XOR回路の回路記号
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図20、XOR回路の回路記号
表10、NOR回路の真理値表
入力電圧 出力電圧
A B Y
L L L
L H H
H L H
H H L

XOR回路の等価回路は、NOT回路、AND回路およびOR回路の組み合わせで構成する事ができます。色々な等価回路がありますが、図21に、等価回路を2例示します。

図21、NOT回路、AND回路、およびOR回路で構成したXOR回路の等価回路
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図21、NOT回路、AND回路、およびOR回路で構成したXOR回路の等価回路

参考:図21の中段および下段の回路がXOR回路の等価回路になっている事を確認するには、それぞれの回路において、A=LかつB=L、A=LかつB=H、A=HかつB=L、およびA=HかつB=Hの4通りの入力電圧の組み合わせを仮定し、Yを求めて、その結果得られた真理値表が表11と一致するのを確認します。

XOR回路の持つ「2つの入力電圧の内1つだけがHの場合には出力電圧がHになり、入力電圧の中でHの数が0個または2つの場合には出力電圧がLになる」という作用や、XOR回路で論理演算した結果(XOR回路の出力信号)は、排他的論理和と呼ばれます。例えば「信号Yは、AとBの排他的論理和である」とか、「AとBの排他的論理和を取ればYが得られる」という具合に使われます。

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