ESP-WROOM-02でLチカとWi-Fiの動作試験をする(4)

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2017年08月01日 公開。

7. Lチカの試験

前のページ図13に示した回路図では、IO4のピンにLEDを接続しました。このLEDを1秒周期で点滅させるスケッチを作り、動作試験をしてみます。

Lチカ(LEDの点滅)に使うスケッチをリスト1に示します。

リスト1、LチカのスケッチCOPY
void setup() {
  pinMode(4,OUTPUT);
}

void loop() {
  digitalWrite(4,HIGH);
  delay(500);
  digitalWrite(4,LOW);
  delay(500);
}

ご覧の様に、一般的なArduinoにおけるLチカのスケッチと全く変わりません。

このスケッチを書き込むには、次の手順で操作します。

【手順1】パソコンとFT232RL USBシリアル変換モジュールをUSBケーブルで接続する

写真6の様に、パソコンとFT232RL USBシリアル変換モジュールを、USBケーブルで接続します。

写真6、FT232RL USBシリアル変換モジュールとパソコンをUSBケーブルで接続
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写真6、FT232RL USBシリアル変換モジュールとパソコンをUSBケーブルで接続
【手順2】Arduino IDEを起動し、スケッチを入力する

Arduino IDEを起動し、スケッチを入力します。(図14参照)

図14、スケッチの入力
図14、スケッチの入力
【手順3】Arduino IDEのボードの設定をする

2ページ表1の通り、Arduino IDEのボードの設定を行います。(図15参照)

図15、Arduino IDEのボードの設定
図15、Arduino IDEのボードの設定
【手順4】シリアルポートの設定をする

ツール→シリアルポートメニューで、FT232RL USBシリアル変換モジュールが接続されているシリアルポートを指定します。(図16参照)

図16、シリアルポートの設定
図16、シリアルポートの設定
この図ではCOM4を選んでいますが、COM番号は環境により変わります。自分の環境に合わせて選択してください。
【手順5】スイッチを操作し、ESP-WROOM-02をUART Download Modeにする

この回路にはSW1(MODEスイッチ)とSW2(RESETスイッチ)の2つがありますが、まずSW1のみをONにし(図17(a)参照)、次にSW1をONにしたままSW2もONにし(図17(b)参照)、次にSW2のみをOFFにし(図17(c)参照)、最後にSW1もOFFにしてください(図17(d)参照)。この操作により、ESP-WROOM-02がUART Download Mode(スケッチが書き込めるモード)に移行します。

図17、UART Download Modeに移行するためのスイッチ操作
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図17、UART Download Modeに移行するためのスイッチ操作
【手順6】スケッチをコンパイルしてESP-WROOM-02に書き込む

右矢印ボタンをクリックすると、スケッチがコンパイルされた後、ESP-WROOM-02に書き込まれます。(図18参照)

図18、右矢印ボタンをクリックしてスケッチを書き込む
図18、右矢印ボタンをクリックしてスケッチを書き込む

スケッチの書き込みが終わると、ESP-WROOM-02は自動的にFlash Boot Mode(書き込んだスケッチを実行するモード)に移行します。

写真7と写真8の様に、LEDが1秒間隔で点滅する様子を観測できるはずです。

写真7、点灯するLED
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写真7、点灯するLED
写真8、消灯するLED
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写真8、消灯するLED
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8.シリアル(UART)の試験

シリアル(UART)の試験のため、スケッチをリスト2の様に変更します。

リスト2、UARTの動作試験用スケッチCOPY
void setup() {
  pinMode(4,OUTPUT);
  Serial.begin(9600);
}

void loop() {
  digitalWrite(4,HIGH);
  Serial.println("HIGH");
  delay(500);
  Serial.println("LOW");
  digitalWrite(4,LOW);
  delay(500);
}

スケッチの中でSerial変数を使うと、Serial.print関数またはSerial.println関数でTXD(12番ピン)に出力が出て、Serial.read関数でRXD(11番ピン)から信号を読み込むようになります。TXDとRXDは、スケッチの書き込みのためにFT232RL USBシリアル変換モジュールに接続されていますから、仮想シリアルポートを通じて、シリアルモニタでESP-WROOM-02と通信ができる事になります。

注:リスト2ではSerial.println関数しか使っていませんので、RXDの信号は使っていません。

スケッチを書き込んだのち、図19の様にツール→シリアルモニタメニューでシリアルモニタを起動し、図20、図21の様に改行をCRおよびLF、通信速度を9600bpsに設定すると、図22の様に、LEDの点滅に合わせて、"HIGH"と"LOW"が表示されるのが観察できます。


図19、シリアルモニタの起動
図19、シリアルモニタの起動
図20、改行の設定
図20、改行の設定
図21、通信速度の設定
図21、通信速度の設定
図22、シリアルモニタの表示
図22、シリアルモニタの表示

次のページではWi-Fi通信試験のため、簡単なWebサーバをESP-WROOM-02で作る話をします。

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