2014年07月26日 | 公開。 |
2014年12月21日 | 秋月電子での販売について追記。 |
2018年01月22日 | 秋月電子での販売価格上昇について追記。 |
先日からTwitterをにぎわせている話題がありました。LPC1114FN28というマイコンが、今年(2014年)末にディスコン(生産停止)になるというのです。Arduino Unoに使われているATmega328Pよりも高性能かつ安価で、しかもDIP品でブレッドボードにも刺さるので、アマチュアに人気の高いマイコンです。
mbedにも対応したので、入門の敷居も低くなり、面白くなって来ていた事もあり、「夏になって、時間に余裕ができたら、本格的にLPC1114FN28で遊ぶか」と思っていたのですが、いきなり出鼻をくじかれた形です。秋月でも手に入らなくなりましたし、mouserやDigikeyでも手に入らないなど、年末を待たずに入手困難になってきました。LPC1114FN28で遊ぼうと思って、せっかく色々準備を始めていたのに、残念でした。同じLPC1114でも、表面実装品はディスコンにならないのですが、キットを開発するにはDIP品が都合がいいのです。
NXPが2022年までLPC1114FN28を供給し続けると公言していたのに、いきなりディスコンが決まった事に、疑問を持たれた坪井 義浩さん(LPC1114FN28のmbed化をされた方)が、メーカーのNXPに対し、公開質問状を出されたところ、意外な答えが返ってきました。詳しいことは原文(英文)を読んでいただきたいのですが、かいつまんで話をします。(以下、和訳がひどいのはご容赦願います)
"We are happy to let you know of our decision to reinstate the part immediately into active, orderable status with no planned end-of-life as was communicated on the 2014 Mid-Year Product Discontinuation list."
訳:その部品を、直ちに現行品でかつ注文可能なステータスに戻し、2014年の年央のディスコンリストで通知したような製造中止の予定を設けないという、決断をした事を報告できるのが嬉しいです。
とありますが、「ディスコンにしようと思ったけど、やっぱりやーめた」ってところでしょうか。
" I very much appreciate you re-emphasizing the importance of this microcontroller to the design activities of over 1000+ customers using the mbed platform."
訳:1,000人以上の顧客が、mbedのプラットフォームを使って、このマイコンのソフトを開発している事の重要さを、再び強調してくださった事に大変感謝します。
とも書いてありますし、元々生産を止めるつもりだったのに、「mbedで使うユーザーがそんなに多いならもうちょっと作ってみるか」というような態度が垣間見えます。
LPC1114FN28が今後も手に入る見込みなのは嬉しいですが、NXPの日和見な態度に不信感がぬぐえません。本当にLPC1114FN28が潤沢に供給されるのか、私はしばらく様子を見るつもりです。ダメならば、PIC32MXでも始めてみようかと思っています。現在主に使っているATmega328Pもいいマイコンですが、もう少し高性能なマイコンを使うアプリケーションを作りたくなってきましたので。
2014年12月21日追記
現在では、秋月電子にLPC1114FN28が大量入荷しているようですので、当面は入手に不安がなくなりました。少し暇になったら、LPC1114FN28で遊ぶのを再開しようと思っています。
2018年1月22日追記
現在でも秋月電子でLPC1114FN28が販売されていますが、単価が400円にまで上がっています。100円台で買えるのが、このマイコンの魅力のひとつだったのですが、その点では魅力がなくなりました。ATmega328P-PUが230円ですので、価格ではこちらの方が優位になりました。