2016年01月10日 | 公開。 |
京都市にある、物作りが可能なコワーキングスペーススペース、MTRL KYOTOに行ってみたので報告します。
MTRL KYOTO(マテリアル京都)は、京都駅から徒歩15分の場所にある、コワーキングスペースです。ただ単に、机や電源などを提供してくれる作業スペースではなく、レーザーカッターや3Dプリンターなどの機器を借りる事ができ(別料金が必要)、物作りをする場合のプロトタイピングのためのスペースとして利用する事ができます。また、月単位の会費などは不要で、気の向いたときに、好きな時間だけ利用できるようになっています。
築110年の古民家を改造した建物や、展示してあるさまざまな物作りのための素材が、クリエーターを知的に刺激するように工夫されています。MTRL(マテリアル)という名称からも、素材を大切にしようとする姿勢がうかがえます。
個人的な話になりますが、我が家には幼児(長男)と乳児(次男)がおり、結構にぎやかです。仕事に集中できないときに、気分転換を兼ねて、コンセントを借りられるファーストフード店で仕事をすることもあるのですが、事務的な作業しかできないのがネックでした。
昨年(2015年)の12月にMTRL KYOTOがオープンしたので、そこへ行けば落ち着いて仕事ができるのではないかと、気になっていました。今回、実際にMTRL KYOTOに行って、雰囲気や作業環境などを調べてきました。
料金は後払い制になっています。空いている席に座って、利用開始時刻を書いた伝票をスタッフが席に置くと、利用開始になります。
コワーキングスペースなので、他の人の席と、パーティションで区切られているわけではなく、オープンスペースで仕事をする事になります。
退出するときは、カウンターで清算します。今回は現金で支払いましたが、カードも利用できるようです。
なお、営業時間は平日のの11:00~22:00となっています。土日や祝日が休みなので、会社勤めの人が趣味でゆっくり利用するのは難しそうですが、夜遅くまで営業いるので、近くに勤めている人は、仕事帰りに少し利用して帰るという使い方もできそうです。
スペースの利用料金は、利用時間によって変わります。最初の45分が500円で、以後1分ごとに10円追加になります。
また、1,800円で、1日の利用が可能です。この1日利用料金は、3時間以上の利用で適用されます。
・・・という説明をパンフレットを読んでも、あまりピンとこなかったので、利用時間と料金の関係を、Excelでグラフにしてみました。
利用時間が176~179分の場合は、1日利用料金より高くなりますから、数分粘って利用時間を3時間以上にしましょう。(笑)
スペースを利用すると、コーヒーチケットが1枚付いてきます。また、水やジュースのフリードリンクもあるようです。さらに電源と無線LANも使えます。
なお、2015年1月末までは、メンバー登録している利用者は、料金が半額になるようですので、近いうちにもう一度行こうかなと思っています。
MTRL KYOTOは、3階建ての建物に入っていますが、利用できるスペースは1階と2階です。3階はスタッフのスペースの様です。
1階のスペースは、メンバー登録していない利用者でも利用できます。(後述しますが、無料のメンバー登録をすると、利用できるスペースが広がります)
おしゃれで落ち着いた雰囲気の空間で作業ができます。
人が写らないように写真を撮ったので、撮れるアングルが限定されていました。そのため、このページの写真からは、あまり雰囲気が分からないかも知れませんが、公式のページに行けば、雰囲気の分かる写真が色々掲載されていますので、そちらをご覧ください。
1階には、ラウンジの他に、コーヒー(1杯目は無料、2杯目以降有料)を出してもらえるカウンターと、工具や工作機器が置いてあるスペースがあります。
普通のコワーキングスペースと違って、工作ができるのが魅力ですが、オープンスペースのみで、防音室などはない様です。あまり大きな音が出る作業をすると、そばで打ち合わせをしている利用者の邪魔になりそうな気がしました。後述するように2階にワークスペースというのが設けられていますが、そこで作業をしろという事かも知れません。
それでも、1階に設置されているCNCなどの工作機械は、結構騒音が出そうな気がします。私が訪ねた時には、どの機械も稼動していませんでしたので、確かめられませんでした。
1階には、次の4種類の工作機器が置いてあります。これらを利用するには、スペースの利用料以外に別料金が発生します。
rayjetというレーザーカッターが設置してあります。加工サイズは最大w457×d305×h145mmです。
Adobe Illustrator CS4のファイル形式(.ai)で、データを作成し、USBメモリ等に保存の上、持ち込めば、加工できるようです。
機械工作にはど素人の私ですが、自分で設計した基板のケースを設計し、アクリルをレーザー加工して一度作ってみたかったので、MTRL KYOTOのレーザーカッターを是非一度使ってみたいと思いました。ただ、Illustratorは結構高価なソフトですので、このためだけに購入するのはちょっと抵抗があります。このサイトで使う図の作成のために、最近はINKSCAPEを使っているので、SVGフォーマットのファイルでデータを持ち込めればありがたいのですが・・・。
この写真のみ、タブレットPCで撮影しました。ひどい画質ですみません。
Replicator 2Xという3Dプリンタが設置してあります。造形サイズは最大246×152×155mmで、ABS樹脂による造形ができます。(3Dプリンター自体はPLAフィラメントにも対応していますが、常設しているのはABSの白または黒のフィラメントらしいです)
KitMill Qt100という、小型のCNCフライスが設置してあります。加工サイズは最大w150×d100×h42mmです。
アルミや真鍮などの金属部品も作れますし、加工精度もおそらく積層型の3Dプリンターよりは高いと思いますので、一度これを使って、機構部品を作ってみたいなと思います。まず、3D CADの使い方から勉強しなければなりませんが・・・。
Family Maker FM800というデジタル刺繍ミシンが設置されているのですが、ミシンには全く興味がないので、写真を撮ってきませんでした。すみません。
写真撮影はしませんでしたが、工具箱があり、ノギス、ラジオペンチ、ドライバーなどの工具が利用できるようでした。
レーザーカッター、3Dプリンター、CNCフライス、ミシンは、利用時間を予約する事もできますし、MTRL KYOTOに来た時に、もし使用中でなければ、その場で予約なしに利用する事もできます。利用の予約は、ネット上で行う事ができます。
各機械の利用料金は次の表の通りになっています。(2016年1月現在)
予約なし | 予約あり | |
---|---|---|
レーザーカッター | 1,000円/10分 | 4,000円/45分 |
3Dプリンター | 1,000円/30分 | 4,000円/3時間 |
CNCフライス | 700円/30分 | 1,500円/45分 |
ミシン | 500円/1時間 | 1,000円/2時間 |
2階には、メンバー登録していない利用者も利用できるテラスと、メンバーのみが利用できる屋内施設があります。
私が訪ねた時には、テラスが利用できる事に気づきませんでした。もっとも、今の様に寒い季節(1月)には、屋外で作業しようという気にはならないでしょうが。
屋内は、作業机の置かれたワークスペースと、色々な素材が展示してあるマテリアルスペースと、畳部屋があります。
今回は様子を未に来ただけなので、実際に物を作る作業はできませんでしたが、今度来るときは、何か組み立てるものを持って来たいです。
MTRLの住所、電話番号、営業時間、公式サイトのURLは次の通りです。