グラフィックLCDシールドに採用したS12232ZAは、キャラクタフォントを持たないグラフィックLCDモジュールですが、MGLCDライブラリがキャラクタフォントを持っているので、キャラクタLCDモジュールと同じ感覚で使えます。使える文字は、英数字や標準的な半角記号(!,",#,$,%,&,=,@,*,+,-,\など)と半角カタカナです。(文字コード表参照)
MGLCDライブラリで画面に文字を表示する場合は、print関数およびprintln関数を使います。使い方は、Serial変数を使ってシリアルポートに文字を送信するのと同じです。
例えば、シリアルポートに"Hello"と送信するには、次の様にします。
Serial.print("Hello");
LCDの画面に"Hello"と表示するには、SerialをMGLCDに変えて、
MGLCD.print("Hello");
とすればOKです。
シリアル出力に使える構文は全て使えるので、次の様なことができます。
MGLCD.println("Hello"); // 改行つきの文字列表示
MGLCD.print(123); // 整数の表示
MGLCD.print(123,HEX); // 16進数表示(7B)
MGLCD.print(1.23456,2); // 小数点2桁の表示(1.23)
MGLCD.print(F("ABC")); // Fマクロを使った文字列表示
画面を消去するには、ClearScreen関数を使って次の様にします。
MGLCD.ClearScreen();
文字の表示位置を制御するにはLocate関数を使います。Locate関数の構文は次の通りです。
S12232ZAは横122ピクセル、縦32ピクセルのグラフィックLCDですが、8X6ドットフォントを用いると、横方向に20文字、縦方向に4行表示できます。Locate関数では、左上の文字位置を原点(0,0)とし、右下の文字位置を(19,3)として座標を扱います。
Locate関数にprint関数やprintln関数が続いて呼び出された場合、直前のLocate関数で指定された座標に文字列を表示します。
この機能を使えば、例えば次の様なデモスケッチができます。スケッチを走らせると、"DEMO START"と2秒表示した後、'A'と言う文字が左右に往復運動します。
#include <mglcd.h>
mglcd_serial MGLCD(&Serial,500000);
void setup()
{
// LCDの初期化
while(MGLCD.Reset());
// スタートメッセージ
MGLCD.print("DEMO START");
delay(2000);
MGLCD.ClearScreen();
}
void loop ()
{
// 'A'という文字を右方向に移動させる
for(int i=0; i<19; i++) {
MGLCD.Locate(i,0);
MGLCD.print("A");
delay(300);
MGLCD.Locate(i,0);
MGLCD.print(" ");
} // for i
// 'A'という文字を左方向に移動させる
for(int i=19; i>0; i--) {
MGLCD.Locate(i,0);
MGLCD.print("A");
delay(300);
MGLCD.Locate(i,0);
MGLCD.print(" ");
} // for i
}
他にも色々と、テキスト表示のための関数があるのですが、別のページにリファレンスマニュアルとしてまとめます。
次のページでは、グラフィック表示の説明をします。