ピカピカ光るクリスマスツリーおばけの製作(2)

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2015年10月22日 公開。

3.回路の組み立て方

3-1.LED制御基板の組み立て方

ユニバーサル基板でLED制御回路を組みました。完成した基板を次に示します。

写真3、製作した基板(表面)
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写真3、製作した基板(表面)
写真4、製作した基板(裏面)
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写真4、製作した基板(裏面)

また、部品の配置やピン番号を次に示します。なるべく回路図と同じ部品配置になるようにしてあるので、理解しやすいと思います。なお、特に測定器で波形を観察したいのでなければ、CN2はなくても回路は動作します。

写真5、部品配置
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写真5、部品配置

半田付けは、手半田によるリード部品の半田付けの方法を参考にして行ってください。部品間の配線は、極力すずめっき線を使いますが、それだけでは難しいところはUEW(ポリウレタン線)を使います。すずめっき線は直径0.3~0.5mm位の物が、UEWは直径0.2~0.3mmの物が使いやすいでしょう。

写真6、すずめっき線とUEW(ポリウレタン線)
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写真6、すずめっき線とUEW(ポリウレタン線)

すずめっき線は、銅線の表面を薄く錫(すず)でめっきしたものです。別の表現をするなら、抵抗の足(リード線)に使われているのが、すずめっき線です。

導電率が高い(電気を通しやすい)、半田付けしやすい、価格もそこそこ安いと、銅は配線材料として好ましい性質を持っているのですが、表面処理をしていない銅線を放置しておくと、すぐに表面が酸化して、半田付けできなくなってしまいます。そこで、銅線の表面をすずでめっきした、すずめっき線を配線に使うわけです。

接続したい部品のリードの間をすずめっき線をはわして、配線していきます。配線が長い場合は、次の写真の様に、ランドを1つあるいは2つ飛ばすくらいの間隔で、すずめっき線とユニバーサル基板のランドを半田付けしていきます。

写真7、ユニバーサル基板上をすずめっき線で配線
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写真7、ユニバーサル基板上をすずめっき線で配線

ただ、すずめっき線は、被覆のない線ですので、複数の線を交差させると、ショートしてしまいます。ある程度複雑な回路になると、配線を交差させる事なしに組み立てるのは困難ですから、被覆線を補助的に使う事になります。

UEWは、被覆線の中でも、特に細い被覆が得られる線で、基板上の配線に向いています。UEWは、銅線の表面をポリウレタンでうすくコートした構造になっており、単に被覆が薄いだけでなく、被覆が半田ごての熱で溶融・蒸散するという特徴を持っています。ただ、ポリウレタンは無色ですので、被覆がはがれているかどうかが分かりにくいというのが欠点です。

UEWの被覆をはがすには、熱したはんだごてのこて先で半田を融かしておいて、その溶けた半田にUEWの先端を突っ込む事によって行います。

写真8、UEWの被覆をはがす様子
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写真8、UEWの被覆をはがす様子

被覆がはがれた部分は、はんだめっきされて、銀色に色が変わります。

写真9、先端の被覆をはがしたUEW
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写真9、先端の被覆をはがしたUEW

あらかじめ必要な長さを見繕ってUEWを切断するのは難しいため、基板にUEWを半田付けする前に、UEWの両端を半田めっきするのは難しいです。私の場合、UEWの片側を半田めっきし、それを基板に半田付けして、その後に必要な長さにUEWを切断し、基板のすぐそばで、UEWのもう片端を半田めっきします。この場合、基板に半田が落ちないように注意して作業する必要があります。

すずめっき線とUEWを組み合わせると、次の写真の様に配線の立体交差ができるようになるため、高密度の配線ができます。

写真10、すずめっき線とUEWを組み合わせた配線
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写真10、すずめっき線とUEWを組み合わせた配線

UEWだけでも配線でき、慣れればその方が作業時間がずっと短くなるのですが、どう配線したか分かりにくくなるのと、配線が間違っていた場合に修正するのに技術が要るため、私はなるべくすずめっき線を多く使い、UEWは補助的に使っています。

部品の一部は、取り付ける向きに注意が必要です。

LEDは、アノード(プラス極の事で、Aの記号で表わす)とカソード(マイナス極のことで、Kの記号で表わす)の区別があるので、注意が必要です。次の写真の様に、リードの長い方がアノードです。

写真11、LEDの極性
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写真11、LEDの極性

回路記号上の極性は、次の図の様になります。

図3、LEDの回路記号上の極性
図3、LEDの回路記号上の極性

ICソケットの向きについてはは、次の写真を参考にしてください。

写真12、ICソケットの向き
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写真12、ICソケットの向き

ATtiny85の向きについては、次の写真を参考にしてください。なお、ATtiny85は、スケッチ(プログラム)を書き込んでからICソケットに挿入します。スケッチの書き込み方については後述します。

写真13、ATtiny85の向き
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写真13、ATtiny85の向き

CN1に使うB2B-XH-Aの向きについては、先に示した写真5を参考にしてください。

なお、後で詳しく説明しますが、このコネクタは、コンタクト(メス側の電極)と電線とを圧着するのが難しいです。コンタクトの圧着ができない場合は、CN1を使わずに、直接電線を基板に半田付けする事も検討してください。

なお、CN1に電池ボックスを接続するかどうかで電源のON/OFFの切り替えを行う仕様になっているため、CN1を使わず、電池ボックスの配線を直接基板に半田付けする場合は、別途スイッチを設ける方がいいと思われます。スイッチを使わない場合は、電池ボックスから電池を抜かないと、電源をOFFにできません。

CN1にB2B-XH-A以外のコネクタを使う場合は、逆向きに接続できないコネクタを選んでください。電源コネクタを逆向きに接続すると、ATtiny85の電源ピンに負の電圧がかかって、故障します。

次のページでは、LEDや電池ボックスの接続方法について説明します。

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