Arduino Uno用ブートローダライタシールドキットサポートページ(3)

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Arduino Uno用ブートローダスケッチライタシールドキット 商品名 Arduino Uno用ブートローダスケッチライタシールドキット
税抜き小売価格 1440円
販売店 スイッチサイエンス
2015年10月20日 暫定公開。
2015年10月31日 正式公開。

8.ATmega328PにArduino Unoのブートローダを書き込む方法

完成したArduino Uno用ブートローダスケッチライタシールドを用いて、ATmega328PにArduino Unoのブートローダを書き込む方法を説明します。

なお、Arduino Unoのブートローダを書き込んだATmega328Pを動作させるには、外部クロック源として16MHzの水晶振動子が必要になります。

以下の手順に従って、ブートローダを書き込んでください。

【手順1】ブートローダライタシールドをArduino Unoに装着し、CN3(KILL RESETと書いてあるピンヘッダ)からジャンパピンを取り除く
写真32、Arduino Unoにブートローダライターシールドを装着し、CN3のジャンパピンを取り除く
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写真32、Arduino Unoにブートローダライターシールドを装着し、CN3のジャンパピンを取り除く
【手順2】Arduino UnoとパソコンをUSBケーブルで接続する。
【手順3】Arduino IDEを起動し、ファイル→スケッチの例メニューからArduinoISPのファームウェア(スケッチ)を開く
図1、ArduinoISPのスケッチを開く
図1、ArduinoISPのスケッチを開く
【手順4】ツール→マイコンボードメニュー(Arduino IDE 1.0.Xの場合)を開いてArduino Unoを選択する
図2、Arduino Unoを選択する
図2、Arduino Unoを選択する

Arduino IDE 1.0.Xの場合

注:Arduino IDE 1.6.Xまたは1.7.Xをお使いの場合は、ツール→ボードメニューになります。

図3、Arduino Unoを選択する
図3、Arduino Unoを選択する

Arduino IDE 1.6.Xおよび1.7.Xの場合

【手順5】ツール→シリアルポートメニュー(Arduino IDE 1.0.Xの場合)でポート番号(COM番号)を指定する
図4、ポート番号を指定する
図4、ポート番号を指定する

Arduino IDE 1.0.Xの場合

注1:上の図ではCOM3を選んでいますが、実際にはご自分の環境に合わせてポート番号を指定してください。

注2:Arduino IDE 1.6.Xまたは1.7.Xをお使いの場合は、ツール→ポートメニューになります。

図5、ポート番号を指定する
図5、ポート番号を指定する

Arduino IDE 1.6.Xおよび1.7.Xの場合

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【手順6】 Arduino UnoにArduinoISPのスケッチを書き込む

下の図の様に、右矢印ボタンをクリックして、ArduinoISPのスケッチをArduino Unoに書き込みます。

図6、ArduinoISPのスケッチを書き込む
図6、ArduinoISPのスケッチを書き込む

ArduinoISPのスケッチが正常に書き込めると、HeartbeatのLED(LED2)が明るくなったり暗くなったりを繰り返します。

写真33、Heartbeat LEDの点滅
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写真33、Heartbeat LEDの点滅
【手順7】CN3にジャンパピンを装着する
写真34、CN3にジャンパピンを装着する
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写真34、CN3にジャンパピンを装着する
【手順8】 ツール→書込装置メニューでArduino as ISPを選択する
図7、Arduino as ISPを選択
図7、Arduino as ISPを選択
【手順9】 ZIFソケットにマイコンIC(ATmega328P-PU)を装着する

下の写真のように、マイコンをソケットに挿入してから、レバーを倒して固定します。

写真35、マイコンのZIFソケットへの挿入
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写真35、マイコンのZIFソケットへの挿入
写真36、マイコンの固定
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写真36、マイコンの固定
【手順10】 ツール→ブートローダを書き込むメニューを選び、ブートローダを書き込む
図8、ブートローダを書き込む
図8、ブートローダを書き込む

ブートローダの書き込み中は、ProgrammingのLED(LED4)が点灯します。

写真37、Programming LEDの点灯
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写真37、Programming LEDの点灯

しばらくすると、ブートローダが書き込めるはずです。

図9、書き込み完了メッセージ
図9、書き込み完了メッセージ

ブートローダの書き込みが終わったら、ProgrammingのLEDは消えます。

写真38、Programming LEDの消灯
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写真38、Programming LEDの消灯

もし、ブートローダの書き込みに失敗すると、ErrorのLED(LED3)が点灯して書き込みが中断します。その場合は、正しい手順で書き込んでいるか再確認の上、もう一度ブートローダを書き込んでください。

写真39、Error LEDの点灯
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写真39、Error LEDの点灯

注:エラーの発生の状況によっては、ErrorのLEDが点灯しない事もあります。必ず画面のメッセージを確認してください。

【手順11】 マイコンをZIFソケットから外す

ZIFソケットのレバーを立ててからマイコンを取ってください。

続けて別のマイコンにブートローダを書き込む場合は、手順9~11を繰り返してください。

9.ATmega168にArduino Duemilanoveのブートローダを書き込む方法

前章のATmega328PにArduino Unoのブートローダを書き込む方法において、手順8と手順9の間で、ツール→マイコンボードメニュー(Arduino IDE 1.0.Xの場合)でArduino Diecimila or Duemilanove w/ ATmega168を選ぶと、ATmega168にArduino Duemilanoveのブートローダを書き込めます。

なお、Arduino Duemilanoveのブートローダを書き込んだATmega168を動作させるには、外部クロック源として16MHzの水晶振動子が必要になります。

注:末尾にPの付いたATmega168Pという型番のAVRマイコンがありますが、それにはここに書いた方法でブートローダを書き込めません。後述する方法で書き込んでください。

図10、Arduino Diecimila or Duemilanove w/ ATmega168の選択
図10、Arduino Diecimila or Duemilanove w/ ATmega168の選択

Arduino IDE 1.0.Xの場合

Arduino IDE 1.6.Xまたは1.7.Xをお使いの場合は、ツール→マイコンボードメニューで一旦Arduino Duemilanove or Diecimilaを選んでから、ツール→プロセッサメニューでATmega168を選びます。

図11、Arduino Duemilanove or Diecimilaの選択
図11、Arduino Duemilanove or Diecimilaの選択

Arduino IDE 1.6.Xおよび1.7.Xの場合

図12、ATmega168の選択
図12、ATmega168の選択

Arduino IDE 1.6.Xおよび1.7.Xの場合

10.ATmega168/328Pに書き込んだブートローダの動作確認をする方法

Arduino IDEの画面に「ブートローダの書込みが完了しました。」と表示され、シールドのErrorのLEDが点灯していなければ、基本的にはブートローダが書き込めているはずですが、実際にブートローダを起動して動作を確認する方法を説明します。

そのための一番簡単な方法は、例えばATmega328PにArduino Unoのブートローダを書き込んだ場合なら、Arduino Unoに載っているATmega328P-PUを、自分でブートローダを書き込んだものに交換してみる方法です。ただし、Arduino Unoでも、表面実装のATmega328Pを使用しているタイプは、マイコンの交換ができませんので、ここで説明する方法は使えません。

下の写真を参考に、ATmega328P-PUを交換して、何か適当なスケッチを書き込んでみてください。ブートローダが正常に機能していれば、スケッチが書き込めて、その後、そのスケッチが動作し始めるはずです。(スケッチの例の中にある01.BasicsのBlinkという、Arduino内蔵LEDを点滅させるスケッチを書き込めば、Arduino単体でスケッチの動作まで確認できるのでお勧めです)

写真40、Arduino UnoへのATmega328P-PUの装着
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写真40、Arduino UnoへのATmega328P-PUの装着

なお、ATmega168にArduino Duemilanoveのブートローダを書き込んだ場合は、もちろんArduino Duemilanoveに搭載されているATmega168(あるいはATmega328P)と交換すれば、ブートローダの動作試験ができるのですが、Arduino Duemilanoveがなくても、Arduino UnoのATmega328Pと交換することで、ブートローダの動作試験が行えます。

ICソケットに挿入されたマイコンを交換時には、リード(足)を傷めないように気をつけることが重要です。

ICを引き抜くための工具も市販されていますが、100円ショップの精密ドライバーセットに入っている小型のマイナスドライバーでも綺麗にICを引き抜けます。ICソケットとICの間にマイナスドライバーをこじ入れて、少しずつICを浮かせていきます。ICの両端を交互に少しずつ浮かせていくのがコツです。

また、新品のICは、両側のリードが平行になっておらず、ハの字型に広がっています。あらかじめ平行に整形しないと、ICソケットに挿入できません。ICのリードを整形する工具もあるのですが、机の平面を使っても、ICとリードが垂直になるように整形できます。ただし、静電気でICを壊す恐れがあるので、机にICのリードを押し当てるのは本来好ましい方法ではありません。

ATmega328PにArduino Unoスケッチを書き込んだ場合は、のATmega328P-PUを交換してみて、無事にスケッチが書き込めるようなら、元のATmega328P-PUに戻してもいいですし、新しい方のATmega328P-PUをそのままArduino Unoで使ってもいいです。(ICの交換回数が減るので、後者がお勧め)

もしスケッチがうまく書き込めないなら、元のATmega328P-PUに戻してください。ブートローダがうまく書き込めていないATmega328P-PUは、もう一度ブートローダを書き直して見ましょう。

なお、Arduino Unoに使われているバネ式のICソケットは、あまり耐久性がなく、何回もICの交換を繰り返していると接触不良などの不具合が発生します。そういう意味では、Arduino Unoをブートローダの動作試験に使うのは好ましくありません。2、3回ブートローダの書き込みと動作試験をやってみて、書き込みに自信が出てきたら、Arduino Unoを使って動作試験をするのは止めましょう。

次のページでは、ATmega168/328Pに、ブートローダを利用せずにスケッチを書きこむ方法を説明します。

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