2014年12月14日 | 公開。 |
2014年12月29日 | トラブルの事例を追加。 |
ドライバのインストールには、管理者権限が必要です。インストールの作業の前に、管理者としてログオンしている事を確認してください。
インストールを始めるには、FTDI社製のICを用いた周辺機器がパソコンに接続されていないのを確認した上で、ダウンロードしたCDM v2.12.00 WHQL Certified.exeというファイルをダブルクリックして起動してください。
そうすると、FTDI CDM Driversというウィンドウが開きますので、「Extract」(解凍という意味)のボタンをクリックしてください。
この後、ユーザーアカウント制御のウィンドウが開き、「次のプログラムにこのコンピュータへの変更を許可しますか?」と尋ねられる場合がありますが、「はい」をクリックしてください。
デバイスドライバのインストール ウィザードが開きますので、「次へ」のボタンをクリックします。
使用許諾契約が表示されますので、内容を確認した後、「同意します」を選択して「次へ」のボタンをクリックします。
ドライバのインストールが行われ、デバイスドライバのインストール ウィザードの完了が表示されますので、「完了」ボタンをクリックしてください。
これで、ドライバのファイルはパソコンにコピーされた状態になっていますが、まだUSBシリアル変換器は使える状態にはなっていません。
次に、実際に使いたい、FTDI社製のICを内蔵したUSBシリアル変換器を、パソコンのUSBポートに接続します。そうすると、タスクバー付近に「デバイス ドライバー ソフトウェアをインストールしています」というメッセージが出ます。
「ステータスを見るには、ここをクリックしてください」と、吹き出しが出ているアイコン(緑の球がくるくる回っているアイコン)をクリックすると、下の様に「ドライバー ソフトウェアのインストール」というウィンドウが開きますので、「Windows Updateからのドライバーソフトウェアの取得をスキップする」の部分をクリックしてください。
「Windows Updateからのドライバー ソフトウェアの取得をスキップしますか?」と確認されるので、「はい」のボタンをクリックします。
インストールされるドライバは2つあるので、Windows Updateのスキップの操作をもう一度してください。
しばらく経つと、「デバイスを使用する準備ができました」というメッセージが表示されます。これで、USBシリアル変換器が使えるようになりました。
次にUSBシリアル変換器のドライバが組み込まれている様子を、デバイスマネージャーで確認してみます。
「コンピューター」を右クリックして、プロパティを開きます。
開いたウィンドウの左側のデバイス マネージャーをクリックします。
そうすると、デバイス マネージャーのウィンドウが開きます。「ポート(COM と LPT)」の項目に「USB Serial Port」というデバイスがあり、「ユニバーサル シリアル バス コントローラー」の項目に「USB Serial Converter」というデバイスがあるのが分かると思います。これら2つが、USBシリアル変換器を動作させるのに必要なデバイスドライバです。
また、上のスクリーンショットではUSB Serial Portの右に「(COM7)」と表示されています。皆さんの場合はCOM1やCOM2など、他の数字が表示されているかもしれません。これが、現在接続しているシリアル変換器に割り当てられたCOM番号です。
試しに他のUSBシリアル変換器も接続してみると、デバイスマネージャの表示が変わります。
後から接続したUSBシリアル変換器にも、USB Serial PortとUSB Serial Converterの2つのデバイスドライバがインストールされているのが、上の図からわかります。この場合、後から接続したUSBシリアル変換器には、COM8が割り当てられました。
これらのCOM番号は、ソフトウェアから、どのUSBシリアル変換器を使うかを指定するのに使います。例えば、Arduino IDE 1.0.6の場合、ツール→シリアルポートメニューで、使用するUSBシリアル変換器やArduinoのCOM番号を指定します。(ちなみに、Arduinoのマイコン基板も、USBに直結できるものは、USBシリアル変換器を内蔵しています)
以上で説明は終わりです。
USBシリアル変換器とパソコンのUSBポートを接続するUSBケーブルは、通信用(データ転送用)の物でなければなりません。充電用のUSBケーブルでは正常に接続されませんので、注意が必要です。
標準USBコネクタには以下の4ピンがあります。
ピン番号 | ピン名称 | 意味 |
---|---|---|
1 | VBUS | 5V電源 |
2 | D- | 信号線(負論理) |
3 | D+ | 信号線(正論理) |
4 | GND | 基準電位 |
注:マイクロUSBやミニUSBのコネクタは、ピンが5本あり、4番ピンがID、5番ピンがGNDとなっています。IDのピンは、USB機器が、接続相手(接続ケーブルや相手側の機器)が充電器なのか、通信機器なのかを見分けるためなどに使われています。
1番ピンのVBUSは、5Vの電源を供給するためのピンです。2番ピンのD-と3番ピンのD+は、信号の通信のために使われるピンです。
本来、USBインターフェースは、通信を行うついでに5V電源を供給する物なのですが、最近では通信機能を使わずに、バッテリーの充電など、電源供給だけに使われる事が多くなりました。元々からある通信用のUSBケーブルは、4本の配線が全て接続されているのですが、充電器に使用するには、通信に使用するD-やD+の配線は必要ないため、これらの配線を省略した充電専用のUSBケーブルが使われる事が多くなりました。
当然のことながら、充電用のUSBケーブルを使うと、通信を行う事ができません。充電用のUSBケーブルで、USBシリアル変換器をパソコンにつないでも、パソコン側は、接続された事を知る事ができません。
「ドライバが正常にインストールされなくて、USBシリアル変換器が使えない」と私の所に問い合わせが来た事例の中で、実は携帯電話の充電用USBケーブルを使用していた例がありました。
参考:次の広告のUSBケーブルは、充電と通信の両方に対応しているAオス-マイクロBのケーブルです。例えば、スイッチサイエンスのFTDI USBシリアル変換アダプター(5V/3.3V切り替え機能付き)には、これらのケーブルが使用できます。ご使用のUSB-シリアル変換器がマイクロBコネクタを搭載している事をご確認のうえ、ご購入下さい。
参考:次の広告のUSBケーブルは、充電と通信の両方に対応しているAオス-ミニBのケーブルです。例えば、FTDI BASICには、これらのケーブルが使用できます。ご使用のUSB-シリアル変換器がミニBコネクタを搭載している事をご確認のうえ、ご購入下さい。
最近は、中国市場において、FTDI社のICの模造品(偽物)がたくさん流通しています。これらの模造品に業を煮やしたFTDI社が、偽物のICを使用したUSBシリアル変換器は物理的に使えなくする様に細工した、ドライバソフトを、Windows Updateで配布した事がありました。そのために、2度と使えなくなってしまったUSBシリアル変換器が相当数発生したようです。
模造品ICを使った製品の利用者の中には、それを模造品だとは知らずに使っていた人もいるはずなので、FTDI社の取った対応は、決してほめられた事ではありません。実際、模造品対策をしたドライバは、短期間でWindows Updateから削除されたようです。
今後、こういう事は起こらないと信じたいですが、USBシリアル変換器を購入する時には、模造品のICを使った製品を買わないよう、信頼できる販売店から購入するように気をつけるべきだと思います。