2014年12月14日 | 公開。 |
2014年12月29日 | トラブルの事例を追加。 |
2024年09月17日 | Windows 7用の説明をWindows 11用に書き直した。 |
ドライバのインストールには、管理者権限が必要です。インストールの作業の前に、管理者としてログインしている事を確認してください。
インストールを始めるには、FTDI社製のICを用いた周辺機器がパソコンに接続されていないのを確認した上で、前のページで用意した、ドライバのEXEファイルをダブルクリックして起動してください。(図9参照)
この時、このアプリがデバイスに変更を加える事を許可しますか?と表示されますが、はいのボタンをクリックしてください。
そうすると、FTDI CDM Driversというウィンドウが開きますので、Extract(展開という意味)のボタンをクリックしてください。(図10参照)
デバイスドライバのインストール ウィザードが開きますので、次へのボタンをクリックします。(図11参照)
使用許諾契約が表示されますので、内容を確認した後、同意しますを選択して次へのボタンをクリックします。(図12参照)
ドライバのインストールが行われ、デバイスドライバのインストール ウィザードの完了が表示されますので、完了ボタンをクリックしてください。
これで、FTDI社のVCPドライバがインストールされました。
USBシリアル変換器で通信するには、パソコンに接続されたUSBシリアル変換器に割り当てられた、COM番号を調べておく必要があります。
パソコンにUSBシリアル変換器が複数接続される場合があるので、個々のUSBシリアル変換器にCOM1、COM2、COM3···という様に、"COM"に続く番号が振られます。これがCOM番号です。
COM番号を確認するには、デバイスマネージャーを使います。デバイスマネージャーを開くには、スタートボタン(画面下側のタスクバーにある、水色の田の字型のボタン)を右クリックして、コンテキストメニューでデバイスマネージャーを選択してください。(図14参照)
そうすると、図15に示す様に、デバイス マネージャーのウィンドウが開きます。ポート(COM と LPT)の項目にUSB Serial Portというデバイスがあり、ユニバーサル シリアル バス コントローラーの項目にUSB Serial Converterというデバイスがあるのが分かると思います。これら2つが、USBシリアル変換器を動作させるのに必要なデバイスドライバです。
また、上のスクリーンショットではUSB Serial Portの右に(COM7)と表示されています。皆さんの場合はCOM1やCOM2など、他の数字が表示されているかもしれません。これが、現在接続しているシリアル変換器に割り当てられたCOM番号です。
試しに他のUSBシリアル変換器も接続してみると、デバイスマネージャの表示が変わります。(図16参照)
後から接続したUSBシリアル変換器にも、USB Serial PortとUSB Serial Converterの2つのデバイスドライバがインストールされているのが、図16からわかります。この場合、後から接続したUSBシリアル変換器には、COM5が割り当てられました。
これらのCOM番号は、ソフトウェアから、どのUSBシリアル変換器を使うかを指定するのに使います。
例えば、Arduino IDE 2.3.2の場合、Tools→Portメニューで、使用するUSBシリアル変換器やArduinoのCOM番号を指定します。(図17参照) ちなみに、Arduinoのマイコン基板も、USBに直結できるものは、USBシリアル変換器を内蔵しています。
パソコンのUSBポート(USB Type-A)に直接差し込めるUSBシリアル変換器を使っている場合は問題がないのですが、パソコンのUSBポートと、USBケーブルを介して接続する様になっているUSBシリアル変換器を使う場合は、使用するUSBケーブルに注意が必要です。
USBシリアル変換器に使われるUSBコネクタには、USB B・USB mini B・USB Cの3タイプがあるので、自分の使っているUSBシリアル変換器に合わせたケーブルを使用する必要があります。
また、USBシリアル変換器とパソコンのUSBポートを接続するUSBケーブルは、通信用(データ転送用)の物でなければなりません。充電用のUSBケーブルでは正常に接続されませんので、注意が必要です。
標準USBコネクタには以下の4ピンがあります。
ピン番号 | ピン名称 | 意味 |
---|---|---|
1 | VBUS | 5V電源 |
2 | D- | 信号線(負論理) |
3 | D+ | 信号線(正論理) |
4 | GND | 基準電位 |
注1:上記のピン配置は、USB 2.0までのコネクタのピン配置です。USB 3.0以降では、ピン数が増えています。
注2:マイクロUSBやミニUSBのコネクタは、ピンが5本あり、4番ピンがID、5番ピンがGNDとなっています。IDのピンは、USB機器が、接続相手(接続ケーブルや相手側の機器)が充電器なのか、通信機器なのかを見分けるためなどに使われています。
1番ピンのVBUSは、5Vの電源を供給するためのピンです。2番ピンのD-と3番ピンのD+は、信号の通信のために使われるピンです。
本来、USBインターフェースは、通信を行うついでに5V電源を供給する物なのですが、最近では通信機能を使わずに、バッテリーの充電など、電源供給だけに使われる事が多くなりました。元々からある通信用のUSBケーブルは、4本の配線が全て接続されているのですが、充電器に使用するには、通信に使用するD-やD+の配線は必要ないため、これらの配線を省略した充電専用のUSBケーブルが使われる事が多くなりました。
当然のことながら、充電用のUSBケーブルを使うと、通信を行う事ができません。充電用のUSBケーブルで、USBシリアル変換器をパソコンにつないでも、パソコン側は、接続された事を知る事ができません。
「ドライバが正常にインストールされなくて、USBシリアル変換器が使えない」と私の所に問い合わせが来た事例の中で、実は携帯電話の充電用USBケーブルを使用していた例がありました。
最近は、中国市場において、FTDI社のICの模造品(偽物)がたくさん流通しています。これらの模造品に業を煮やしたFTDI社が、偽物のICを使用したUSBシリアル変換器は物理的に使えなくする様に細工した、ドライバソフトを、Windows Updateで配布した事がありました。そのために、2度と使えなくなってしまったUSBシリアル変換器が相当数発生したようです。
模造品ICを使った製品の利用者の中には、それを模造品だとは知らずに使っていた人もいるはずなので、FTDI社の取った対応は、決してほめられた事ではありません。実際、模造品対策をしたドライバは、短期間でWindows Updateから削除されたようです。
今後、こういう事は起こらないと信じたいですが、USBシリアル変換器を購入する時には、模造品のICを使った製品を買わないよう、信頼できる販売店から購入するように気をつけるべきだと思います。