「ブレッドボード」の解説(2)

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2020年04月30日 公開

2.ブレッドボードの使い方

ブレッドボードの使い方について、まずブレッドボードと一緒に用意するべき物を説明し、次にブレッドボード上に試作回路を作る際の配線の仕方について説明します。

2-1.ブレッドボードと一緒に揃えるべき物

ブレッドボードを使う際に、試作回路の部品以外に揃えておくべきものがあるので紹介しておきます。

2-1-1.より線のジャンパ線(必須)

まず、必ず必要になるのが、ブレッドボード用のジャンパ線です。ジャンパ線は、ブレッドボードの2つの電極を、電気的に接続(ショート)するのに使います。

写真10の様に、被覆付きより線の両端にオスのピンが付いたジャンパ線が市販されていますので、ブレッドボードと一緒に購入するといいでしょう。色々な色や、長さのジャンパ線がありますが、短め(50mm~100mm位)のジャンパ線を使う事が多いので、短めの物を多めに買っておきましょう。

写真10、ブレッドボード用のジャンパ線(両側オス)
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写真10、ブレッドボード用のジャンパ線(両側オス)

2-1-2.単芯のジャンパ線(あれば便利)

単芯の被覆線の両端の被覆をむいて、コの字型に加工した写真11の様なジャンパ線もあります。必須ではありませんが、これがあると配線がすっきりするのでお勧めです。

写真11、ブレッドボード用のコの字型のジャンパ線
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写真11、ブレッドボード用のコの字型のジャンパ線

参考:電子工作に使う被覆線には、単芯線(図3参照)とより線(図4参照)があります。単芯線は、1本の太い導体の線を、絶縁性の被覆で保護した導線です。一方でより線は、複数の細い導体の線をよってから、絶縁性の被覆で保護した導線です。同じ太さの単芯線とより線とを比較すると、単芯線の方が1mあたりの抵抗値が低く(電気を通しやすく)、固くて柔軟性がありません。ブレッドボードのジャンパ線に使う場合は、単芯線は両端の被覆をむいて、コの字型に加工して使います。固くて変形しにくい性質を利用し、特定の間隔の配線に使います。一方で、より線の場合は、両端にオスのピンを付けて使います。柔軟性を利用し、一本のジャンパ線で、色々な間隔の配線ができます。

図3、単芯線の構造
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図3、単芯線の構造
図4、より線の構造
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図4、より線の構造

2-1-3.マイクロニッパ(必須)

リード抵抗などのリード部品のリードを適切な長さに切断するために、ニッパと呼ばれる工具が必要です。

ニッパは、電線などの線材を切断するために使われる工具です。針金や屋内配線等を切断するための大型のニッパもありますが、電子工作では、細い線を切る事が多いので、マイクロニッパ(または精密ニッパ)と呼ばれる小型のニッパを使います。精密ニッパの例を写真12に示します。

写真12、マイクロニッパの例(ENGINEER製NS-04)
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写真12、マイクロニッパの例(ENGINEER製NS-04)

例えば買ってきたカーボン抵抗のリード線を、そのままコの字型に折り曲げてブレッドボードに実装すると、写真13の様になってしまいます。抵抗本体がブレッドボードから大きく浮いてしまって、抵抗のリード線が曲がると、隣の抵抗のリード線と触れそうです。リード線同士が触れると、その部分が短絡(ショート)して、回路が誤作動しますし、故障の原因にもなります。

一方で、写真14に示す様に、リード線を適切な長さに切断し、部品がブレッドボードの表面から浮く高さをせいぜい数mm以内に収めると、リード線同士が短絡する危険が少なくなります。

写真13、リード線を切断せずにブレッドボードの表面から大きく浮いた抵抗
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写真13、リード線を切断せずにブレッドボードの表面から大きく浮いた抵抗
写真14、リード線を適切な長さに切断する事によりブレッドボードの表面から大きく浮かないようにした抵抗
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写真14、リード線を適切な長さに切断する事によりブレッドボードの表面から大きく浮かないようにした抵抗

参考までに、抵抗のリード線をマイクロニッパで切断する様子を、写真15に示します。

写真15、抵抗のリード線をマイクロニッパで切断する様子
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写真15、抵抗のリード線をマイクロニッパで切断する様子

リード線がまっすぐな状態で切断するより、この字型に曲げた状態で切断する方が、両側のリード線の長さを揃えやすいため、筆者はこの字型にリード線を曲げた後で切断しています。

リード線を直接指で触れると、汗や手の脂がリード線に付着し、ブレッドボードの電極との間で接触状態が不安定になったり、リード線やブレッドボードの電極の錆の原因になったりするので、筆者は、抵抗の本体を指でつかみ、リード線には極力触れない様にして加工しています。また、ブレッドボードで回路を試作し、その後、その部品をユニバーサル基板に半田付けして仕上げる場合を考えると、汗や油で汚れたリード線は半田に濡れにくい(半田をはじく)ため、好ましくありません。

この写真に写っているマイクロニッパは、写真12で紹介したNS-04ではありません。

2-1-4.ラジオペンチ(あれば便利)

抵抗などのリード部品をコの字型に加工する際に、ラジオペンチがあると非常に便利です。(ラジオペンチがなくても作業ができますが、必須に近いです)

ペンチは、線材(電線や針金など)をはさんで折り曲げるための工具です。電子工作では、ペンチの中でも小型のラジオペンチを主に使います。ラジオペンチの例を、写真16に示します。

写真16、ラジオペンチの例
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写真16、ラジオペンチの例

筆者がかなり昔に購入したラジオペンチで、メーカーや型番は不明です。

もし、ラジオペンチなしで抵抗などのリード線を曲げる場合、写真17に示す様に、指でリードをつまんで折り曲げる事になります。

写真17、抵抗のリード線を指で曲げている様子(悪い例)
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写真17、抵抗のリード線を指で曲げている様子(悪い例)

この様に、リード線を指でつまんでしまうと、指についた汗や脂でリード線が汚れます。この汚れは、リード線とブレッドボードの電極の接触不良の原因になったり、リード線が錆びる原因になったりします。

また、指でリード線を曲げると、小さな曲率半径で折り曲げる事ができず、綺麗に曲げられません。

写真18に示す様に、ラジオペンチでリード線をつまんで曲げると、これらの問題が解決します。

写真18、ラジオペンチで抵抗のリードをつまんで曲げている様子(良い例)
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写真18、ラジオペンチで抵抗のリードをつまんで曲げている様子(良い例)

左手の指は、リード線を汚さない様に、抵抗本体をつまんでいます。

参考までに、指でリード線を曲げた抵抗と、ラジオペンチを使ってリード線を曲げた抵抗とを比較した写真を、写真19に示します。

写真19、指でリード線を曲げた抵抗とラジオペンチを使ってリード線を曲げた抵抗の比較
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写真19、指でリード線を曲げた抵抗とラジオペンチを使ってリード線を曲げた抵抗の比較

左側が指でリード線を曲げた抵抗で、右側がラジオペンチでリード線を曲げた抵抗です。

指で曲げたリード線の方が、ラジオペンチでリード線を曲げた抵抗よりも、曲がった部分の曲率半径が大きい(緩やかに曲がっている)事が分かります。

左側の抵抗は、写真17に示す様に、爪先を使ってリード線を折り曲げてあります。爪を使わなければ、もっと曲率半径が大きくなります。

ラジオペンチは、例えば小型のナットを締め付ける場合などにも使え、用途が多いので、買っておく方がいいでしょう。

マイクロニッパの場合は、信頼できる工具メーカー(エンジニアホーザンなど)の製品を買わないと刃の切れ味が悪かったり、寿命が短かったりします。また、有名メーカーの工具はそれなりの値段が付いています。

一方でラジオペンチの場合は、比較的安い製品でも問題なく使える事が多いです。極端な話、100円ショップで税込み110円で売っているラジオペンチを買ってきても、それなりに使える事が多いです。ただし、安い製品の購入時には、ラジオペンチを閉じた時に、先端部分がずれていない事を確認する方がいいでしょう。

次のページでは、2つの2端子部品を、ブレッドボード上で直列接続する方法について説明します。

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