2020年05月05日 | 公開 |
それでは、ブレッドボードを使って回路を試作する場合の配線の仕方について説明します。
2つの抵抗(あるいは他の2端子の部品)を直列につなぐにはどうすればいいのか考えます。
ここでは例として、1.5kΩの抵抗R1と4.7kΩの抵抗R2を直列接続して、図5の様な回路を、ブレッドボード上で作る方法について説明します。
写真9を振り返って、ブレッドボード内部の電極が、どうつながっているかを確認してみましょう。
同じ番号の行のa~eの列が内部で導通していて、また同じ番号の行のf~jの列も導通しているのでした。
この事を利用すると、写真20の様に2つの抵抗をブレッドボードに実装すると、直列接続できる事が分かります。写真21に示す様に、緑色の線の部分がブレッドボード内部で導通しているのがポイントです。
また写真22および写真23の様に、2つの抵抗をジャンパ線でつないでも、直列接続できます。
ただし、リード線を使っている分、写真20の接続よりも回路が大きくなっている事が分かります。
この例で示した様に、接続したいリード線同士を同じ番号の行の穴に挿入し、ジャンパ線を使わずに配線するのが、回路をコンパクトに作るコツです。
他にも、写真24および写真25の様に、一方の抵抗を、ブレッドボードの中央の溝をまたがせて実装する事によっても、直列接続になります。
ここで注意して欲しいのは、写真26および写真27の様に、抵抗を、ブレッドボードの中央の溝をまたがせずに実装すると、直列接続にはならない事です。
写真27を見ると分かる様に、R2の両側のリード線が、ブレッドボードの内部で短絡(ショート)してしまっています。
この事を回路図で書くと、図6の様になります。R2の両端が短絡してしまっている事により、R2が抵抗として機能していない事が分かります。
R2の両端がブレッドボード内部で短絡しているため、R2の両端に電圧をかけてもR2に電流が流れる事はなく、R2は抵抗としての働きをしていません。
この回路は、全体として抵抗値1.5kΩの1つの抵抗として働きます。つまり、R1の抵抗1つだけをブレッドボードに実装したのと同じです。
もっとも、写真26や写真27の場合は、6番の行のa~eの列の穴が全てふさがっており、さらに配線を伸ばす事ができないので、この様な間違いはしないと思います。
しかし、R2の代わりに小型のセラミックコンデンサをR1に直列接続する場合(写真28参照)などは、つい両方のリード線をブレッドボード中央の溝をまたがせずに、同じ番号の行の穴に挿入してしまう事があります。ブレッドボードに慣れるまでは、注意しましょう。
セラミックコンデンサ(茶色い部品)の両方のリード線が、どちらも14番の行の穴に挿入されているため、短絡して、コンデンサとして機能していません。
次のページでは、2つの2端子部品を並列接続する方法について説明します。