しなぷすのハード製作記

単3ニッケル水素電池充電器の製作(3)

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11.回路図と部品表

ここからは、基板の組み立ての話になります。今回製作した単3ニッケル水素電池充電器の回路図を再掲します。

図1(再掲)、ニッケル水素充電器の回路図
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図1(再掲)、ニッケル水素充電器の回路図

MP1~4のMOUNT_PADと書かれた部品は、実際には基板四隅のねじを固定する穴の周囲のパッドです。(下の写真の銀色部分) 基板に実装する部品ではないのですが、GND電位にしようとすると、この様に部品の形で回路図に書いて、GNDにつなげる方法がやりやすかったので、この様な表現方法になっています。

写真4、MOUNT_PAD
写真4、MOUNT_PAD

部品表を次に示します。

表1、単3ニッケル水素電池充電器の部品表
部品番号 数量 品名 型番/仕様 メーカー 備考 参考単価
R7,R8,R9 3 抵抗 1Ω±5%、1/4W     10円未満
R13 1 抵抗 3Ω±5%、1/2W     10円程度
R21 1 抵抗 100Ω±5%、1/8W     10円未満
R11 1 抵抗 510Ω±5%、1/8W     10円未満
R12,R100 2 抵抗 1kΩ±5%、1/8W     10円未満
R6,R16,R20 3 抵抗 5.1kΩ±5%、1/8W     10円未満
R2,R5,R14,R15,R18,R19 6 抵抗 10kΩ±5%、1/8W     10円未満
R1,R3,R4,R17 4 抵抗 30kΩ±5%、1/8W     10円未満
C2 1 セラミックコンデンサ 10pF     10円未満
C1 1 OSコンデンサ 100μF、16V 三洋   168円
C3 1 OSコンデンサ 100μF、10V 三洋   168円
D1,D2,D3 1 ショットキーダイオード 1N5817 MIC   37円
L1 1 インダクタ LLI-8X10-100 Linkman 10μH 42円
F1 1 ポリスイッチ RXEF050 レイケム   30円
VR1 1 半固定抵抗 GF063PB302 東京コスモス 3kΩ 53円
LED1 1 LED SLI-343URC(相当品) ローム 3mm、赤 21円
Q5 1 Pch-MOSFET 2SJ537 東芝 2SJ377に置き換え可 126円
Q1,Q3,Q8,Q9,Q10,Q11 6 NPNトランジスタ 2SC1815 東芝   21円
Q2,Q4,Q6,Q7,Q12 5 PNPトランジスタ 2SA1015 東芝   21円
CN1 1 コネクタ ZL2503-2PS Linkman   30円
CN2 1 コネクタ ZL2504-2PS Linkman   30円
CN3 1 コネクタ     実装しない  
TP1,TP2,TP3,TP4,TP5 5 テストピン SST1-1 サンハヤト   16円
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12.部品の説明

基本的にどの部品もマルツで購入できます。ただし、一部の部品は最低購入単位があり、必要な数以上に購入する必要がある場合があります。

R7、R8、R9の3つの抵抗は1Ω、1/4Wの抵抗です。これらは並列に接続され、全体で0.33Ωの抵抗を構成しています。0.33Ω、1/2Wの抵抗が入手できれば、1本の抵抗で済むのですが、1Ω未満の抵抗の入手性が悪いので、1Ω抵抗を3本使って合成しました。これらの抵抗は、MOS-FETに流れる電流の検出用に使っています。1Ω抵抗の精度は5%で十分なのですが、たまたま手元にあった抵抗が1%だったので、それを使っています。

R13は、3Ω、1/2Wの抵抗です。この抵抗は、充電電流の検出用に使っています。この抵抗も、精度が5%で十分なのですが、マルツには1/2W抵抗は1%品しかなかったので、それを使っています。

その他の抵抗は1/8Wの抵抗です。これらも5%品で十分ですが、手持ちの部品が1%の場合は、1%品を使っています。

C2は10pFのディスクセラミックコンデンサです。耐圧は16V以上あればいいのですが、10pFのディスクセラミックコンデンサの耐圧は、普通50V以上あるでしょう。

C1とC3は三洋電機のOSコンという、等価直列抵抗の小さな電解コンデンサです。普通の電解コンデンサより割高ですが、大電流を流せ、スイッチング電源に使った場合はリップル電圧が低くなるという特徴があります。ニチコンの導電性高分子アルミ固体電解コンデンサでも代用できます。ニチコンのコンデンサの方が割安です。共立電子で購入できるようです。

C3の耐圧は、回路図には10Vとなっていますが、実際には2V強しかかかりません。秋月電子通商で100μF、6.3Vのチップ積層セラミックコンデンサを10個300円で取り扱っているみたいですので、たくさん基板を作るなら、これを使うとコストが下がります。ただし、表面実装が必要になりますので、専用の基板を作る必要があります。

D1、D2、D3はショットキーバリアダイオード(ショットキーダイオードともいう)です。PN接合ダイオードに比べて動作が高速で、順方向電圧降下が低いという特徴があるので、スイッチング電源に向いています。

L1の10μHのインダクタは、飽和電流が1A以上必要です。マルツで販売しているLLI-8X10-100は、インダクタンスが10μHであること以外の仕様は公開されておらず、ちょっと怪しい部品なのですが、試しに買ってみたら問題なく動作しました。直流抵抗も、手持ちのデジタルマルチメータ(分解能0.1Ω)では測定できないくらい低かったです。

秋月電子通商なら、A823LY-100Kという、東光製のインダクタを扱っています。これなら許容電流が1.96Aと明記してあるので、安心です。

F1のポリスイッチは、回路が異常動作して、電源に過電流が流れた場合の保護用に使っています。このポリスイッチは1A以上の大電流が流れて何秒かすると、抵抗値が上昇して電流を抑えるように働きます。ポリスイッチは温度が上昇すると抵抗値が大幅に上昇する素子で、過電流が流れたときの自己発熱により電流を遮断します。そのため、過電流が流れてもすぐには遮断できません。また、ヒューズのように、完全に電流を遮断することもできません。しかしながら、ヒューズを使った場合は回路の再稼動にはヒューズの交換が必要ですが、ポリスイッチの場合は、過電流の原因を取り除いたら、ポリスイッチを交換することなく回路を再稼動できます。(そのため、ポリスイッチはリセッタブルヒューズとも呼ばれます。)回路が正常に動作している限りはポリスイッチの保護が働くことはありませんが、配線のどこかがショートしたり、部品が壊れた場合はポリスイッチのような保護素子がないと、火災の原因などになり、危険です。

VR1は3kΩの半固定抵抗(トリマ抵抗)です。電池の充電終止電圧の微調整に使います。部品表に指定した型番でなくても3kΩなら、他の半固定抵抗も使えます。

LED1は、充電中を示すランプとして使用します。直径3mmの赤色のLEDなら、おおよそどれでも使えると思います。青色や白色のLEDは、高い電圧をかけないと光らないので、この回路には使えない可能性があります。特に入力電圧が低い場合(5V)に光りにくいと思います。

Q5はPチャネルMOS-FETです。ステップダウンレギュレータには、高速でON・OFFが繰り返せて、電気的な信号でコントロールできるスイッチが必要ですが、そのようなスイッチとしてMOS-FETを用いています。

Q1~Q4とQ6~Q12は、バイポーラトランジスタです。詳細は後に述べますが、電圧誤差や電流誤差の増幅、MOS-FETやLEDの制御などに用いています。バイポーラトランジスタにはNPN型とPNP型がありますが、この充電器ではそれら両方を用いています。

CN1には、直流電源をつなぎます。電圧が5~12Vの0.2A以上のACアダプタが使えます。

CN2には、充電したい単3ニッケル水素電池をつなぎます。電池ボックスを使って電池を接続してください。

CN3は特に実装しなくても結構です。充電中の確認用のLEDを、基板上ではなく、離れたところに付けたい時のみ、CN3を利用してください。この場合、基板上にはLED1を実装せず、CN3にLEDを接続します。

TP1~TP5は、回路の動作を理解するためにオシロスコープで各部の電圧を調べたい場合に実装してください。いずれのテストピンも、なくても回路は動作しますが、充電終止電圧の調整に使うので、TP4とTP5だけは実装しておく方が便利でしょう。

次のページでは、充電器の組み立て方や使い方などを説明します。

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