今日は、Youtubeで面白い動画を見つけたので紹介します。EEVblogのWorld’s First Transistor Watch!というタイトルの動画です。
この動画で紹介されているのはBulova Spaceview 214(ブローバ・スペースビュー214)という腕時計で、1960年に発売された、世界初のトランジスタ式腕時計です。(動画に写っているのは、1968年のM8というモデル) 360Hzの音叉式発振器により、日差2秒という、当時としては画期的な精度を実現しました。振動やショックに強く、アポロ11号など、NASAの色々なプロジェクトに使われたようです。
文字盤が透明で、中の機構が見えるのが素敵です。2つの駆動コイルに覆いかぶさるようになった、音叉の先端部の独特の形状に注目してください。この先端部のカップの中には、内側に、コイルを貫通するような磁石が付いています。コイルと磁石の電磁的な結合と、音叉の機械的な共振により、1つのNPNトランジスタを使った発振回路で、正確な360Hzの信号が生成されます。この機構をAccutron(アキュトロン)と呼んでいるようです。
普通の腕時計は耳に近づけるとチッチッチッとかカチカチという音がするのですが、この腕時計は360Hzのトーンが聞こえます。
当時はリード抵抗、リードトランジスタなどを手で半田付けしていました。その様子が透明な文字盤越しに見えます。
この時計には竜頭がなく、背面のダイヤルで時刻調整を行います。また、秒針がカチカチと断続的に動くのではなく、連続的に動きます。
この様に非常にユニークな特徴を持った腕時計ですので、ちょっと物欲が刺激されますが、ebayで調べてみると、395ドルでの出品がありました。(動画に写っているのとは、デザインがちょっと違います)
EEVBlogのこの動画に関するページと、Accutronに関する非常に詳しい説明の載ったページへのリンクを紹介しておきます。
なお私は、動画の早口の英語がそれほど明瞭に聞き取れている訳ではありませんので、このページの内容に、何か間違いがあるかもしれません。お気づきの方はコメント欄で指摘していただけると幸いです。