2016年09月21日 | 公開。 |
現在の状態が「タイキ チュウ」(待機中)の時にCキーを押すと、温度プロファイルの選択画面(写真39)になります。
「Pbフリー(GN)」、「Pbフリー(HG)」などは、プリセット(スケッチ内で定義)された温度プロファイルに付けられた名称です。温度プロファイルの名称は、ひとつだけ反転表示されていますが、Aキーを押すと反転表示される温度プロファイルが一つ上に、Dキーを押すとひとつ下に移動します。一番上に表示されている温度プロファイルが反転している状態でAキーを押すか、一番下に表示されているプロファイルが反転している状態でDキーを押すと、画面がスクロールします。
写真39の状態でDキーを7回押し、一番最後の8番目の温度プロファイルを表示した状態を写真40に示します。
目的の温度プロファイルを反転表示した状態で、*キーを押すと、その温度プロファイルが選択されます。例えば「Pbフリー(HG)」を反転表示させた状態で*キーを押すと、写真41の様な表示になります。
また、温度プロファイルの選択画面(写真39)で、選択をキャンセルする場合は、#キーを押します。
温度プロファイルの選択画面(写真39)において、Cのキーを押すと、反転表示された温度プロファイルの、設定の閲覧画面(写真42)になります。
この画面では、選択した温度プロファイルの設定項目を閲覧する事ができます。表示される設定項目は、温度制御装置のスケッチ内で設定されています。なお、各設定項目の意味は、後に説明します。
設定項目は一画面に収まりませんが、AキーとDキーを使って、温度プロファイルの選択画面と同様に、画面をスクロールさせる事ができます。
現状では設定項目の表示の機能しかありませんが、将来的にはこの画面で、設定を変更できる様にする予定です。
プリセットされた温度プロファイルは、全部で8種類あります。表2に全ての温度プロファイルを示します。
名称 | 説明 |
---|---|
Pbフリー(GN) | GN-1200(T)を使って、鉛フリー半田のリフローをする場合の温度プロファイル |
Pbフリー(HG) | HG-1200(T)を使って、鉛フリー半田のリフローをする場合の温度プロファイル |
ユウエン(GN) | GN-1200(T)を使って、有鉛半田のリフローをする場合の温度プロファイル |
ユウエン(HG) | HG-1200(T)を使って、有鉛半田のリフローをする場合の温度プロファイル |
ベーク 120゚C | 120℃で基板をベーキングする場合の温度プロファイル |
テスト | 温度制御装置の試験のため、低温で短時間動作させるための温度プロファイル |
プロファイル7 | 「テスト」と同じ温度プロファイル |
プロファイル8 | 「テスト」と同じ温度プロファイル |
この表に出てくるGN-1200(T)やHG-1200(T)は、リフローに使用するホットプレートの型番です。(写真43参照) これらのホットプレートに付いては、Arduinoとホットプレートを使ったリフロー装置(1号機)の製作(8)のページに説明があります。
注:GN-1200(T)は正確にはホットプレートではなくグリル鍋です。
各温度プロファイルについて、以下に説明します。
GN-1200(T)で、スズ96.5%、銀3.0%、銅0.5%の鉛フリー半田を使ってリフローを行う場合に、使う温度プロファイルです。実測した温度プロファイルを図8に示します。
HG-1200(T)で、スズ96.5%、銀3.0%、銅0.5%の鉛フリー半田を使ってリフローを行う場合に、使う温度プロファイルです。実測した温度プロファイルを図9に示します。
GN-1200(T)を使う場合に比べ、温度上昇が緩やかな事を考慮し、予熱時間をやや短くし、最高温度をやや低めに設定しています。(そうしないと基板や部品が高温にさらされている時間が長くなるから)
GN-1200(T)で、有鉛半田を使ってリフローを行う場合を想定した温度プロファイルです。実測した温度プロファイルを図10に示します。
なお、私は有鉛半田でリフローを行った事がないため、この温度プロファイルを使って実際にリフローをした事はありません。ご自分で試験的にリフローを試してから、この温度プロファイルをお使いください。
電子部品のデータシートの推奨温度プロファイルを見ていると、共晶半田(有鉛半田で最も融点が低い物)を使う場合、鉛フリー半田よりも15度程度低い温度を推奨している場合があるので、それを参考に、鉛フリー半田の場合よりも少し温度を下げています。(共晶半田と鉛フリー半田のリフローの温度プロファイルの差は意外と小さいを参照) 共晶半田の融点が183℃で、Sn-Ag-Cu系の鉛フリー半田の融点が217℃程度と、34℃の差があるのにもかかわらず、両者の推奨温度プロファイルは、それほど大きな差はありません。
HG-1200(T)で、有鉛半田を使ってリフローを行う場合を想定した温度プロファイルです。実測した温度プロファイルを図11に示します。
なお、私は有鉛半田でリフローを行った事がないため、この温度プロファイルを使って実際にリフローをした事はありません。ご自分で試験的にリフローを試してから、この温度プロファイルをお使いください。
基板内の湿気を抜くため、約120℃で10時間ベーキングを行う場合の温度プロファイルです。この温度プロファイルの設定は、GN-1200(T)とHG-1200(T)で共通です。また、この温度プロファイルを使う場合は、予熱ステージで約120℃をキープします。加熱ステージ2やリフローステージには進みません。
実測した温度プロファイルを図12に示します。実際は約120℃の状態が10時間続くのですが、最初の16分の時間変化だけを掲載しています。
注:ホットプレートにベーキングする基板をたくさん載せると、温度上昇は図12よりも緩やかになります。
GN-1200(T)とHG-1200(T)で設定を変える方が、より短時間に、より正確な温度が得られるのですが、ベーキングの温度はそれほど厳密でなくても良いので、利便性を優先して共通の設定にしています。
湿気を吸った基板は、ベーキングしてからリフローすると、ミーズリング(ガラス繊維と樹脂の剥離。写真44参照)の発生を防ぐ事ができます。ベーキングやミーズリングについては、リフロー温度制御装置2号機製作中(5) – 温度プロファイル選択機能のブログ記事を参照してください。
写真の左半分は、リフロー時にミーズリングを起こした基板です。部品は裏側に実装されています。ホットプレートに触れる面(部品がない面)の方が高温になるので、ミーズリングが起こりやすい傾向にあります。
写真の右半分は、ミーズリングを起こさずにリフローを行えた基板です。
温度制御装置の動作試験を行うために、低温で短時間動作させるための温度プロファイルです。この温度プロファイルの設定は、GN-1200(T)とHG-1200(T)で共通です。
この温度プロファイルは、実際のリフロー作業には使いません。配線の確認や部品の動作確認などのために、試験運転を行う際に利用します。低温でリフローの各ステージの動作確認ができるため、リフロー時に発生する嫌な臭いがありません。
実測した温度プロファイルを図13に示します。
最大8種類の温度プロファイルを設定できる様に、予約してある温度プロファイルです。デフォルトではテストの温度プロファイルと同じ設定です。後に説明する方法で、設定を変更して使います。
最大8種類の温度プロファイルを設定できる様に、予約してある温度プロファイルです。デフォルトではテストの温度プロファイルと同じ設定です。後に説明する方法で、設定を変更して使います。
次のページでは、リフロー作業の方法を説明します。
商品名 | 128×64モノクログラフィックLCDシールド | |
税抜き小売価格 | 3600円 | |
販売店 | スイッチサイエンス | |
サポートページ | 128×64モノクログラフィックLCDシールドサポートページ |
商品名 | I/Oピン一つで読める4X4キーパッド(完成品) | |
税抜き小売価格 | 1380円 | |
販売店 | スイッチサイエンス | |
サポートページ | I/Oピン一つで読める4X4キーパッド(完成品)サポートページ |
商品名 | I/Oピン一つで読める4X4キーパッドキット | |
税抜き小売価格 | 900円 | |
販売店 | スイッチサイエンス | |
サポートページ | I/Oピン一つで読める4X4キーパッドキットサポートページ |