古くなったクリーム半田にフラックスを入れると復活する

表面実装部品(SMD)をリフローで半田付けする場合、クリーム半田(ソルダーペースト)を使うのですが、クリーム半田はとってもデリケートです。冷蔵庫などの冷暗所で保存する必要がありますし、適切に保存していても、品質保持期間は6か月くらいしかありません。

クリーム半田

クリーム半田を多めに買うと、品質が劣化してきて、うまくリフローできなくなった経験がある人が多いと思いますが、液体のフラックスをクリーム半田に足すことで、再び使えるようになるので、報告します。

白光001-02

私が使っているフラックスは、白光の001です。手半田の時にも30ml入りでハケ付きの001-01という製品を使用していますが、30mlの容器の詰め替え用と、クリーム半田への継ぎ足し用に、001-02という70mlの製品を買っています。

クリーム半田は、細かい半田の粉末とフラックスの混合物を練り上げたものです。クリーム半田のカタログをいくつか見ましたが、フラックスの含有率は10~20%程度の様です。(ただし、含有率は重量の割合を示しているので、体積の割合だと、もっとフラックスの比率が多いと思います)

クリーム半田が古くなってきたり、あるいは常温で空気にさらされ続けたりしても、おそらく半田の粉末の方はそれほど大きな品質変化はないと思うのですが、フラックスが揮発してしまい、粘度が上がって印刷しにくくなります。また、無事に印刷できても、加熱時にうまくパッドや部品のリードに半田が乗らなくなります。

そういう時には、フラックスをクリーム半田の容器に少し入れて、練るといいという話をどこかで聞きました。(Youtubeだったか、どこかのブログだったか忘れましたが、ネット上の情報で、英語の説明だった気がします)

だまされたと思って、先ほど紹介した白光001を、劣化したクリーム半田に少し混ぜ、割りばしで練って使ってみたら、うまくリフローができたので、それ以来、クリーム半田の粘度が上がってきたら、フラックスを足すことにしています。

リフロー用のフラックスではないので、元々のクリーム半田よりは性能が劣ってしまうのかもしれませんが、0.8mmピッチのQFPは問題なく半田付けできています。

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有鉛のクリーム半田なら、安く手に入るのもあるのですが、鉛フリーの半田になると、少量だととてもグラム単価が高くつきます。

以前、Digikeyで250gのクリーム半田を5~6千円で買ったのですが、このくらいの量になると、1年以上かかっても使いきれません。しかも、木曜日くらいに注文したせいで、週末に日本の空港に届き、月曜日に自宅に来た時には、保冷剤が完全に温まっていたというオチが付きました。

クリーム半田は短期間で使い切るのが基本なのですが、なかなか難しいので、やはり何らかの延命策は必要ですね。

ちなみに、劣化したクリーム半田が少量で、しかも新しいクリーム半田が手元にある場合は、両者を混ぜても使えるようになります。

ところで、リフローをやっている人のブログを拝見していると、松尾ハンダというはんだメーカーなら、個人にもクリーム半田を売ってくれて、郵送中の保冷状態も良かったという評判はあちこちにあるので、今度利用してみようかと考えています。

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