2016年09月12日 | 公開。 |
2016年09月13日 | 主な部品・材料に他励式圧電ブザーを追加。 |
この記事で扱うリフロー装置は、高電圧や高温を扱います。知識が不十分なまま利用したり、利用中に注意を怠ったりすると、感電、やけど、火災などの事故が起こり、あなた自身やあなたの大切な人たちの人命、健康、財産などを失ったり損なったりする危険があります。リフロー装置を扱う場合は、十分な知識を身に付け、十分な準備を行い、なおかつ十分に注意をして行ってください。この記事のまねをして事故が起こったとしても、当方は一切責任を負いません。
ホットプレートを使ったリフロー用の温度制御装置を改良し、温度変化のグラフの大型化と、プリセットしたいくつかの温度プロファイルから使う物を選択する機能を追加しました。
以前、Arduinoを使ったホットプレートリフロー用の温度制御装置(写真1)を作りました。温度制御の性能的には満足の行くものでしたが、温度変化のグラフの表示が小さくて見にくかったのと、温度プロファイルを変更するたびに制御用のスケッチを書き直さなければならないので、使い勝手には不満がありました。
今回、以前より大型のグラフィックLCDモジュール(GLCD)と16キーのキーパッドを使う事により、グラフの大型化と温度プロファイルの選択機能を実現したので、報告します。
これ以降、以前に作った温度制御装置を1号機、今回作った温度制御装置を2号機と呼んで区別する事にします。
なお、2号機の製作の過程はブログ記事にも掲載していますので、併せてご覧ください。
2号機の主な改良点は次の通りです。
2号機の組み立てに使った主な部品や材料について説明します。配線材料やねじなどについてはここでは説明しませんので、同じ温度制御装置を組み立てようと考えている方は、組み立て方のページを参考に用意してください。
機器の全体の制御用にArduino Uno互換機(写真6)を使いました。なお、このArduino Uno互換機のレビューは、以下のブログ記事に掲載しています。
Arduino Holder Type Uno(写真7)は、Arduino Unoと同形状のArduinoに装着するホルダです。秋月電子で購入しました。
ホルダとArduinoはねじ止めもできますが、単にArduinoをホルダにはめ込むだけでも、結構しっかり固定されます。
このホルダは、Arduinoの基板の裏側を絶縁するのに便利なのですが、今回は、試作中にドライバーを使わずにArduinoを取り外しできる様するために使いました。実際にはプラスチックトレイ(後述)に機材を固定した後にArduinoを取り外す機会が少なかったので、このホルダは使わずに、直接Arduinoをプラスチックトレイにねじ止めしても良かったかもしれません。
128×64モノクログラフィックLCDシールド(写真8)は、128×64の解像度を持ったGLCDのシールドです。今回の製作のテーマのひとつがGLCDの高解像度化ですから、今回の製作のキーデバイスのひとつです。SPI接続なので、パラレル接続のGLCDと比較して使用するArduinoのピン数が少なく、今回の様に多くの周辺デバイスをArduinoに接続する場合には向いているGLCDシールドです。
商品名 | 128×64モノクログラフィックLCDシールド | |
税抜き小売価格 | 3600円 | |
販売店 | スイッチサイエンス | |
サポートページ | 128×64モノクログラフィックLCDシールドサポートページ |
I/Oピン一つで読める4X4キーパッド(写真4)は、4×4=16個のキーが付いたキーパッドです。Arduinoのアナログ入力ピンひとつでキーが読めるので、Arduinoに接続する周辺デバイスが多い場合に便利なキーパッドです。今回の製作のテーマのひとつが温度プロファイルの選択機能の実装ですから、今回の製作のキーデバイスのひとつです。
今回は完成品を使用しましたが、同じ機能のキットもあり、それを使うと製作コストを抑える事ができます。
商品名 | I/Oピン一つで読める4X4キーパッド(完成品) | |
税抜き小売価格 | 1380円 | |
販売店 | スイッチサイエンス | |
サポートページ | I/Oピン一つで読める4X4キーパッド(完成品)サポートページ |
商品名 | I/Oピン一つで読める4X4キーパッドキット | |
税抜き小売価格 | 900円 | |
販売店 | スイッチサイエンス | |
サポートページ | I/Oピン一つで読める4X4キーパッドキットサポートページ |
MAX31855という熱電対アンプICを使用した、Adafruit社製のブレークアウト基板で、正式にはThermocouple Amplifier MAX31855 breakout boardという商品名です。(写真5参照) 秋月電子でもMAX31855使用 K型熱電対アンプモジュールという商品名で販売しています。このブレークアウト基板については、AdafruitのMAX31855基板を使った温度測定という記事で詳しく説明していますので、そちらも参照してください。
MAX31855を使う場合は、K型の熱電対を用意する必要があります。
今回は、妙楽堂で買った熱電対(写真9)を使用しました。
ホットプレートの電源を入れたり切ったりするために、秋月電子の大電流大型リレーモジュールキット(写真10)を使用しました。
ネットを検索すると、ホットプレートやオーブントースターを使ったリフロー装置を自作していらっしゃる方は他にもいらっしゃいますが、電源の制御には機械式のリレーではなくSSR(半導体を使ったリレー)を使った作例が多い様です。
SSRは機械式のリレーに対して次の様な利点があります。
しかしながら、SSRはその構造上、ON時の出力に1~2V程度の電圧降下が発生し、比較的大きな発熱があります。例えば秋月電子で売っているS216S021という16A出力のSSRでは、12A出力時(ホットプレートを負荷にするとこの程度の電流が流れる)に約14Wの発熱があります。電子工作に使う半田ごてが20W程度ですから、かなり大きな発熱である事が分かるでしょう。
SSRを安全に使うには、十分な大きさの放熱器を使用して放熱する事が必須となります。そのため、SSRを使用すると意外と装置が大型化します。ネット上で公開されているリフロー制御装置には、放熱器を取り付けずにSSRを使っている例もありますので、うかつに真似をすると危険です。
放熱が面倒くさいので、私はあえて機械式のリレーを使用しました。機械式のリレーはSSRと比べて寿命が短い(今回使用したリレーの場合10万回)のですが、家庭用の機器の場合は酷使しないので、この点は目をつぶる事にします。また動作音に関しては、リレーの動作が耳で確認できるので、考えようによっては多少の音がする方が安心です。
キー入力の確認音や、リフローのスタート・ストップ時の確認音を出すために他励式の圧電ブザー(写真11)を使用しました。他励式の圧電ブザーは、発振回路を内蔵しておらず、外部から、鳴らしたい音の周波数の交流信号を印可する必要のあるタイプの圧電ブザーの事で、秋月電子では圧電スピーカーとか、圧電サウンダという商品名で売っています。
今回使った圧電ブザーは、マルツの店頭でまとめ買いしたもので、型番などの仕様は分かりません。でも、他励式の圧電ブザーなら、だいたいどれをつないでも同じように動くでしょう。
他励式の圧電ブザーは、衝撃を与えると圧電効果により電圧を発生します。その電圧がマイコンの故障の原因になりかねないという事で、1kΩ以上の抵抗を直列につないでマイコンを保護する方がいいといわれています。今回は、圧電ブザーに1kΩの抵抗を直列接続した上で、Arduinoのピンに接続しました。
1号機と同様、ダイソーで買ったプラスチックトレイ(写真12)に部品をねじ止めして装置を組み立てました。トレイの商品名は「自由自在積み重ねトレー大」です。
次のページでは、温度制御装置の組み立て方について説明します。
商品名 | 128×64モノクログラフィックLCDシールド | |
税抜き小売価格 | 3600円 | |
販売店 | スイッチサイエンス | |
サポートページ | 128×64モノクログラフィックLCDシールドサポートページ |
商品名 | I/Oピン一つで読める4X4キーパッド(完成品) | |
税抜き小売価格 | 1380円 | |
販売店 | スイッチサイエンス | |
サポートページ | I/Oピン一つで読める4X4キーパッド(完成品)サポートページ |
商品名 | I/Oピン一つで読める4X4キーパッドキット | |
税抜き小売価格 | 900円 | |
販売店 | スイッチサイエンス | |
サポートページ | I/Oピン一つで読める4X4キーパッドキットサポートページ |