今、Arduino Dueを使って簡易的なオシロスコープを作っています。昨日、その作業中に、Arduino Dueを壊してしまいました。今回はその話を書きます。
Arduino Dueとは
Arduino Dueは、クロック84MHzの32ビットARMプロセッサ(Atmel Microchip SAM3X8E)を採用した、高性能なマイコンボードです。SAM3X8Eは、CPUが高速なだけでなく、A/D変換器(以下ADC)も高速で、12ビットで1MspsのA/D変換ができます。
下の写真は、昨日壊してしまったArduino Dueです。
オシロを作り始めたきっかけ
SAM3X8Eのデータシートを読んでいて、ADCの性能に驚きました。「これはまともなオシロが作れるかも」と思い、夢中でオシロを作りました。電子工作マニアには、オシロというのは夢のガジェットですから。
作り始めて4日ほどして、ほぼ使える物が完成しました。その勢いで、Youtubeにも作ったオシロの紹介動画をアップロードしました。
そして悲劇は起こった
昨日5時ごろに目が覚めたので、機能を追加しようと作業していたら、配線を間違って、Arduino Dueを壊してしまいました。どうやらArduino Dueのアナログ入力ピンに過電圧をかけてしまったみたいです。
先ほど紹介た動画では、CH1とCH2の波形が両方出ていたのですが、今は、下の写真の様に、CH2しか波形が出なくなりました。CH1はラッチアップしたみたいです。本来なら、液晶画面の下半分に三角波が表示されるだけではなく、上半分に正弦波が表示されるはずなんです。
電子工作をする時の注意事項
たった4日間で、使えるレベルのオシロが組めたことに高揚して、作業が雑になっていました。
基本的な事ですが、回路を組み立てる時には、次の事を守る必要があります。
- 電源を落としてから回路を配線する事。
- 配線を確認してから電源を入れる事。
今朝は、作業が雑になって、電源を入れたまま、オシロのプリアンプの基板をArduino Dueに取り付けていました。(Arduinoって、ジャンパ線をソケットに挿すだけで簡単に配線ができるので、つい電源を付けたまま作業をやっちゃうんですよね)
その時に、どうやら+3.3VとGNDの配線を間違ったらしいです。(あるいは電源ピンとI/Oピンを間違ったのかも知れません)
基本動作は守らなければならないと実感した日でした。
私が取った対策
回路の試作時には、手書きの汚い回路図しかない場合もあります。見にくい回路図から配線を読み取るので、間違いが起こりやすくなります。そこで、プリアンプの基板に、次の写真の様に、端子の接続先を書いたシールを貼りました。
また、キーパッドの基板は当初ブレッドボードで仮み組していたのですが、スイッチの付いた回路をブレッドボードで作ると、凄く不安定になります。これは次の様にユニバーサル基板に固定しました。
ちなみに、対策前の基板はこんな感じでした。
なお、Arduino Dueを壊してからは、通電状態で配線を触らない様に、気を付けています。
Arduino Dueは高性能だが、デリケートで高価
オシロを組み立てていた当時は「4日でオシロを作れるなんてすごい」と思ってたんですが、後になって冷静になると、自分で作った回路は、どこかの教科書にでも乗っていそうな入力保護回路やインピーダンス変換回路だけで、重要な処理は、全部Arduino Due側でやっているんですね。つまり、高性能マイコンの性能を引き出したに過ぎません。やっぱりArduino Dueの処理能力は凄いです。
ところで、Arduino Dueは、高性能なのはいいのですが、結構高いんですよね。6千円以上します。どこで買うのが安いのか比較していたのですが、秋月電子やスイッチサイエンスで買うより、Amazonで買う方が安かったです。税込み5,742円と、6千円を切る値段で出品されていました。
どこが出品しているんだろうと思って、確認すると、なんとチップワンストップでした。チップワンストップは、自社のEC用のサイトを持った、電子部品の商社です。試しにチップワンストップのサイト内でArduno Dueを検索すると、税抜き5,790円でした。Amazonで買う方が500ほど安いのですが、どうしてでしょう?
それから、Amazonには、Arduino Dueの互換機が2千円台で出展されている事が分かりました。
結局、Arduino Dueの正規品と互換品を1つずつ注文しました。なるべく正規品を使いたいですけれど、6千円のボードが壊れるのは痛いので、こういう事故の多い、開発初期には互換品を使おうと思います。
昨日発注した2つのArduino dueの内、少なくとも一方が本日中に届きそうです。これで作業を再開できます。
ところで、ATMEGA328Pを使ったArduino Unoの場合は、配線を間違ってもこれほど壊れやすくなかった気がします。電源電圧が3.3Vに下がった分、Arduino Dueはデリケートになっているんでしょうか?
もう少し資料を整理してから、近日中に今作っているオシロの事を、しなぷすのハード製作記に書こうと思っています。