台湾の測定器メーカーZEROPLUSさんから、同社のロジアナ(ロジックアナライザ)のフラッグシップ機であるLAP-F1(6464M)を評価用にいただきました。64チャネルの信号を1Gspsで観測できる、高速・多チャネルのロジアナです。
私が最近設計する回路の傾向を見ていると、64チャネルという多チャンネルを活かす使い方はあまりしそうにないのですが、サンプリングレートに関しては、普段使っている100Mspsのロジアナでは不足する場合があります。
そこで、高速ロジアナの効果を試すべく、高速に動く典型的な回路でテストをしてみようと思ったのですが、インバータ(NOT回路)を3個使ったリング発振器(リングオシレータ)を作る事にしました。
そのリングオシレータの波形が観測でき始めたので、今回はそれを速報という形で報告します。
回路を作りながら、色々ツイートしていましたので、それらのツイートを使って報告したいと思います。
作った3段リング発振器の回路図は、次のツイートで報告しました。
みんな大好き、リングオシレータ。https://t.co/cAyXC5Kakk pic.twitter.com/Kl5RfkgQ0v
— しなぷす@synapse.kyoto (@h164tan1) March 12, 2019
作った基板の写真は次のツイートで報告しました。
とりあえず、半田付けができた。 pic.twitter.com/jCXOc2o4DB
— しなぷす@synapse.kyoto (@h164tan1) March 12, 2019
この回路に5Vの電源を接続し、リング発振器の出力の1つをオシロスコープで測定した事をツイートしたのが次です。
74HC04のインバータ3段のリングオシレータが42.3MHzで発振した。発振周期の1/6がTpd(伝搬遅延時間)なので、そこからTpdを推定すると、3.9nsくらいになる。帯域60MHzのウチのオシロじゃ、波形ははっきりわからないが、発振周波数くらいはちゃんと測れているだろう。 pic.twitter.com/BS5z4N2fWC
— しなぷす@synapse.kyoto (@h164tan1) March 12, 2019
発振周波数が42.3MHzになる事が分かりました。そこから74HC04の伝搬遅延時間(tpd)を推定すると、3.9nsとなります。
ロジアナをちゃんと接続して、リングオシレータの3つの出力波形を計測した結果をツイートしたのが次です。
74HC04のインバータ3段のリングオシレータが理論通り動作している事を、1Gspsのロジアナで確認した。 pic.twitter.com/UKAUkgg6EO
— しなぷす@synapse.kyoto (@h164tan1) March 14, 2019
おそらくロジアナの入力端子の容量により、インバータの伝搬遅延時間が延びたのでしょう。発振周波数が35.7MHzと、若干下がっていますが、ちゃんと位相の違う3つの方形波が、理論通りに発生しました。
今回は速報という事で、この程度にしておきますが、もう少しまとまった報告を、後日、読み物・Tipsのページで発表します。