サイトの記事を書くにあたって、他のサイトの紹介をする事があります。その場合、紹介するサイトの画面のハードコピー(スクリーンショット、キャプチャー画像)を、自分の記事に載せる事に問題がないのか気になったので、ちょっと調べてみました。
はじめに
自分のサイトで他の人のサイトの紹介などをしている時に、どうしても紹介しているサイトの画面のハードコピーを、自分のサイトに掲載したくなる事があります。例えば、FTDIのUSBシリアル変換器のドライバのインストール法という記事では、FTDI社のサイトの画面のハードコピーを使っています。
既にこの様な記事をいくつか書いているのですが、ふと「他のサイトの画面のハードコピーを使うのは、著作権的に大丈夫か?」と不安になりました。サイトの画面にも、著作権があるはずだと思ったからです。そこで、ネット上で調べてみました。
参考になったサイト
参考になったサイトがあるのでご紹介します。
リンク先のサイトは、漫画付きでやさしく、ずばり私の疑問に答えてくれるものでした。
なおリンク先の記事は、Web担当者Forumという、企業サイトの構築や、ネットマーケティングなどを扱うサイト上の記事です。Web担当者Forumは、別に企業のサイトを運営していなくても、サイト運営の参考になる記事が多く載っているので、時々参考にさせていただいています。Webマーケッター瞳という連載漫画も面白いです。
他のサイトの画面のハードコピーを、許諾なしに自分のサイトで使える条件
詳しい話はリンク先の記事を読んでいただきたいのですが、要約すると、
- サイトの画面は、サイト運用者に著作権がある。
- ただし、他者の著作物を「適法」に「引用」すれば、著作者から許可を取らずに使う事ができる。
ということでした。
それでは、どのようにすれば他人の著作物を適法に引用できるかというと、次の5つの条件を満たす必要があるそうです。
- 公表された著作物である事。
- 引用する側の著作物と、引用される側の著作物とが明確に区別されて認識できる事。
- 前者が主、後者が従の関係がある事。
- 出所の明示をする事。
- 著作者の意思に反する改変をしない事。
前述の、FTDI社の製品のドライバーのインストール法の説明のためにFTDI社のサイトの画面のハードコピーを引用する場合を例に考えると、
- FTDI社が一般に公開しているサイトの画面を引用している。
- FTDI社のサイトの画面のハードコピーは、私の著作物ではない事をはっきりと示している。
- FTDI社のサイトの画面のハードコピーは、私の書いた記事の一部を占めるに過ぎない。主題はドライバーのインストール法の説明である。
- FTDI社のサイトのURLを明示している。
- FTDI社の意思に反する改変はしていない。
という事で、大丈夫そうな気がします。
思い起こせば、Youtubeに投稿した下の動画が、Make:Japanで紹介された際も、「引用」の問題が背景にあったのですね。(この場合、Make:Japanの記事が主で私の動画が従か、多少議論の余地がありそうな気がしますが、私にすれば、動画を紹介してくださってありがたいので、実質的な問題は発生しません)
日本では著作憲法違反は元々は親告罪
今までは法律的な話をしていましたが、自分のサイトのハードコピーを使われた側の人がどう感じるのかという、心の問題も、結構重要な気がします。著作権法違反は親告罪(ただし例外あり)だという事を考えるとなおさらそうです。(TPPの影響で親告罪でなくなるかもしれませんが)
「俺の写真(記事)をパクられた」と感じるのと、「私のサイトをうまく紹介してくれた」と感じるのとでは、天と地ほどの差がある様な気がします。法律的な観点から注意する以外にも、相手に敬意を払った引用を心がけようと思っています。
サイト運用者が、自分の著作物の使用条件を明示する事について
引用上の法律的な条件を守っていれば、著作権者の許諾なしで引用できる事は分かりましたが、元々、著作権者が、著作物の扱いを明示してくれていると、安心して利用できます。
GoogleのSearch Consoleヘルプの画像の項目には、インターネット上でよくある画像の無断コピーに関して
画像の帰属の明記やサイトへのリンクを義務付けたうえで、画像の使用を認めるのも 1 つの方法です。
という記述があり、その具体的な方法としては、
クリエイティブ・コモンズのライセンスのような、帰属の明記を義務付けるライセンスに基づいて画像を利用できるようにする。
という記述があります。
自分が書く記事に使う、写真などの素材の利用条件を、クリエイティブ・コモンズなどを利用して明記しておくと、他の人が自分のサイトの紹介をしやすくなって、集客上のメリットがあるかもしれませんね。