写真関係のサイトを見ていると、時々羽ばたく鳥の写真が掲載されていて、「かっこいいなぁ」と思います。自分でも撮影にチャレンジしてみて、何度も失敗したのですが、ようやくコツの様な物をつかめたので、それについて書きます。
私はPENTAXのQ-S1というミラーレス一眼カメラを使っています。一般にミラーレス一眼は一眼レフよりも、一瞬のシャッターチャンスを物にするのが難しいといわれています。
一眼レフの場合、ファインダーには、被写体の発する光がそのまま映ります。そのため、被写体の状態が遅延なく把握できます。
それに対して、ミラーレス一眼の場合は、一度被写体をCCDやCMOSセンサーなどの撮像素子で撮影し、その後液晶などの表示装置に表示します。構造上、どうしても遅延が発生してしまいます。液晶表示を見てシャッターを切ったら、時すでに遅しという事になるので、早めにシャッターを切る必要があります。
また、飛ぶ鳥などの高速で移動する被写体の場合、一眼レフにせよ、ミラーレス一眼にせよ、ファインダーがある方が追いかけやすいのですが、EVF(電子ビューファインダー)がないミラーレス一眼の場合は、背面の液晶を見てシャッターを切る必要があります。やってみると分かりますが、かなり難しい物です。
試行錯誤している内に、EVFのないミラーレス一眼でも、何とか公園の鳩の羽ばたく姿を捉えられるようになってきたので、そのコツを書きたいと思います。
迫力のある写真にするには、ズームをできるだけ望遠側に設定したいですが、ミラーレス一眼では鳥を大写しにするのは無理だとあきらめて、広角気味に設定します。画面のどこかに鳥が写っていれば、後はトリミングで構図を整えることができます。
トリミング前とトリミング後の写真の例を示します。
私の使っているQ-S1は、解像度が1200万画素と控えめですが、一昔前のカメラなら、200万画素とか300万画素だったので、それに比べれば、高解像度です。トリミングしてもそこそこ見られる写真になります。
オートフォーカスを使うと、ピントを合わせるのに時間がかかりますから、シャッターチャンスを逃してしまいます。難しいですが、鳥が通りそうな距離を見計らって、マニュアルフォーカスで置きピントをします。完全にピントを合わせる事はできませんが、シャッターチャンスを逃す確率が激減します。
オートフォーカスで鳥の通りそうな距離の被写体にピントを合わせ、シャッターを半押ししたままシャッターチャンスを待つ方法もありますが、鳥は、いつ飛ぶか予想できませんので、シャッターを半押ししたままというのはきついです。
ISO感度の設定をカメラに任せる設定で写真を撮ると、日中の撮影では、ISO100などの低い設定にされてしまいます。それでは、シャッター速度が遅くなり、鳥がぶれてしまいますし、絞りもあまり絞れないので、被写界深度も深くできません。先ほど説明した様に、置きピントで大体しかピントを合わせませんので、その分を、被写界深度で稼ぐ必要があります。
先ほどの写真の場合、ISO400に設定してプログラムオートモードで撮影しました。シャッター速度が1/1600秒、絞りがF5です。Q-S1の場合、ISO1600くらいまでならそれほど写真が荒れないので、もう少し感度を上げる余地が残っています。
説明するまでもないですが、連写すれば、撮った写真の中に使える物が含まれる可能性は上がります。Q-S1は秒5コマの連写ができますが、この程度の連写機能でも、十分役に立ちます。
以上の4点に気を付けて撮影したところ、何とか公園の鳩の羽ばたいている姿を写真に収める事ができました。最後に撮影した写真を何点かお見せします。
こうして見ると、背景に色々写りこんでいるので見にくい写真になっていますね。標準ズームレンズを使って、地面にいる鳩が飛び立つところを狙っていたので、そうなりました。
空を背景に、高いところを飛んでいる写真を撮ったなら、背景が整理できて、もっと魅力的な写真になったかもしれません。望遠ズームにレンズを交換して、電線などに止まった鳩が飛び立つ瞬間を狙えばいいのかもしれません。
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