Arduinoとホットプレートを使ったリフロー装置(1号機)の製作(5)

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2016年09月12日 「Arduinoとホットプレートを使ったリフロー装置の製作」から「Arduinoとホットプレートを使ったリフロー装置(1号機)の製作」へ改題。

参考:この連載で説明している温度制御装置の改良版について書いた記事もあります。あわせてご覧ください。

5.Arduinoを用いた簡易リフロー炉の温度制御装置の試作

5-1.温度制御装置の部品について

5ページ目にして、ようやく本題に入ります。Arduinoを用いて、ホットプレートを用いた簡易リフロー炉の温度制御装置を試作しました。これを作って、かなりリフロー作業が効率的に行えるようになりました。今回製作した装置の外観の写真を次に示します。

写真44、温度制御装置の外観
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写真44、温度制御装置の外観
写真45、液晶画面付近の拡大写真
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写真45、液晶画面付近の拡大写真

この装置を作るのに必要な物を説明します。

まず、制御装置の頭脳として用いるArduino Unoです。

写真46、Arduino Uno
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写真46、Arduino Uno

それから、スイッチサイエンスで販売しているK型熱電対温度センサモジュールキット(SPI接続)MAX31855使用 5V版です。これは、簡易リフロー炉内の温度の測定に使います。

写真47、K型熱電対温度センサモジュールキット
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写真47、K型熱電対温度センサモジュールキット

それから、122X32モノクログラフィックLCDシールドを、情報の表示と、キー入力に使います。

写真48、122X32モノクログラフィックLCDシールド
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写真48、122X32モノクログラフィックLCDシールド
122X32モノクログラフィックLCDシールド 商品名 122X32モノクログラフィックLCDシールド
税抜き小売価格 3333円
販売店 スイッチサイエンス
サポートページ

それから、ホットプレートのヒータをON/OFFするために、秋月電子で販売している大電流大型リレーモジュールキットを使います。このリレーモジュール内にはトランジスタによる簡単な電流増幅回路が入っており、5Vで5mAの電流を流すだけで、リレーの接点を切り替えることができるため、ArduinoのI/Oポートで直接リレー制御ができます。また、このリレーモジュールに使われている953-1C-12DG-1というメカニカルリレーは、抵抗性負荷の場合、30A/240VACの電流容量があり、ホットプレート(1200Wのホットプレートの場合12A)を余裕を持ってドライブできます。ただ、12Vの電源を要求するところがちょっと使いにくいです。

写真49、大電流大型リレーモジュールキット
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写真49、大電流大型リレーモジュールキット

色々なサイトで簡易リフロー炉の温度制御の方法を調べると、SSRを使ってホットプレートやオーブントースターをON/OFF制御しているケースがとても多いです。SSRは機械的接点を持たないため、反応が早く、寿命が長く、接点切り替え時の音も発生しないという利点はありますが、メカニカルリレーよりも発熱が大きいという欠点もあります。10A以上の大電流の制御をしようとすると、SSRでは放熱器の使用が不可欠になり、回路の大型化、高コスト化につながります。インターネットの情報の中には、SSRの放熱の必要性を理解せずに制御装置を設計しており、危険な状態で使っていると思われるものも散見されます。

アマチュアの場合、リフローで半田付けをするといっても、回数が知れており、メカニカルリレーの接点寿命で十分カバーできると思われます。また、簡易リフロー炉の温度制御には、メカニカルリレーの反応速度で十分だと考えられます。私見ですが、簡易リフロー炉の温度制御に使うには、SSRよりメカニカルリレーの方が向いていると思います。

それから、AC100Vをリレーに引き込み、ホットプレートに渡すための、電源コードとコンセントのプラグが必要になります。コードやプラグは、15A以上の電流に対応しているものを選ぶことが必須になります。私の場合、ホームセンターで、電源コードと、オスプラグ、メスプラグを別々に買ってきて、組み立てましたが、15Aに対応している電源延長コードがあれば、それを使ってもいいと思います。

写真50、AC用オスプラグ、メスプラグ
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写真50、AC用オスプラグ、メスプラグ

それから、エラーの警報音を出したり、リフローが終わった時の合図を音で知らせるための他励型の圧電ブザーを使いました。これは以前マルツの店頭で安売りしていたものですが、ノーブランド品で、詳細は不明です。要は、試しにArduinoで鳴らしてみて、十分な音量が出ているならOKということです。

写真51、圧電ブザー
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写真51、圧電ブザー
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装置全体を仮組みして固定するために、ダイソーのプラスチックトレイを利用しました。製品名は「自由自在積み重ねトレー大」です。

写真52、プラスチックトレイ
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写真52、プラスチックトレイ

このトレイを裏返しにして部品を固定すると、ネジ止めしても、特にゴム足などを使わなくても、ネジの頭が机や床に接触する心配がありません。プラスチック板やアクリル板に部品を固定するよりも、安価で加工の手間が減らせます。部品を固定するためにピンバイスで穴あけ加工した後の写真を次に示します。

写真53、穴あけ後のプラスチックトレイ
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写真53、穴あけ後のプラスチックトレイ

最後に電源ですが、12V、1A出力のスイッチング型ACアダプタを使いました。リレーモジュールの電源電圧が12Vなので、それに合わせました。

写真54、12V出力ACアダプタ
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写真54、12V出力ACアダプタ

以上の部品と、若干のネジ、スペーサ、被覆線などを用いて、プラスチックトレー上に温度制御装置を組み立てました。

次のページでは、温度制御装置の構成と組み立て方について説明します。

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