Arduinoとホットプレートを使ったリフロー装置(1号機)の製作(2)

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2016年09月12日 「Arduinoとホットプレートを使ったリフロー装置の製作」から「Arduinoとホットプレートを使ったリフロー装置(1号機)の製作」へ改題。

参考:この連載で説明している温度制御装置の改良版について書いた記事もあります。あわせてご覧ください。

3.手半田による表面実装部品の半田付けの方法

前のページではリード部品の手半田の方法を説明しましたが、今度は表面実装部品の手半田の方法を説明します。

まず、利用する工具ですが、リード部品を半田付けするのに使った工具以外に、ピンセット、フラックスペン、そして必要ならフラックスを用意します。

写真13、表面実装部品を手半田する際に便利な工具
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写真13、表面実装部品を手半田する際に便利な工具

ピンセットは、部品をつまむために使います。先の細いものを用意してください。

フラックスとは、部品や基板の表面の汚れや酸化皮膜を除去して、半田付けをしやすくするための薬品です。実は糸半田の中にもフラックスが含まれていますが、表面実装部品の半田付けの場合は、パッドに直接フラックスを塗布してから半田付けするほうがうまく付きます。なお、フラックスは半田ごてで加熱すると気化します。吸うと健康に良くないので、半田付けの際には換気に十分気を付けて下さい。(これは、リード部品の半田付けの場合でも同じです)

フラックスペンというのは、フラックスが少量塗布できるように、インクの代わりにフラックスがペン先からにじみ出るようにしたペンの事です。上の写真のフラックスペンは、フラックスを継ぎ足して使うタイプのもので、何度も継ぎ足しているうちに、かなり汚れてきています。フラックスの継ぎ足しができない使い捨てのフラックスペンもあり、こちらの方が使いやすいかもしれません。

表面実装部品の半田付けが、リード部品の半田付けと最も違う点は、部品を置いた側の面で半田付けすることです。よって、パッドも部品と同じ面に付いています。リード部品の場合は、基板の穴にリードを通して、部品と反対側の面で半田付けをするのでしたね。

一般に、表面実装部品をユニバーサル基板に半田付けするのは難しく、専用の基板を作って、それに半田付けをすることになります。(上級者はユニバーサル基板に表面実装部品を半田付けして基板を試作しますが、ここでは扱いません)

例として、下の写真で示す基板のR2と書いてある部分に、2012サイズ(2.0mmX1.25mmのサイズ)の1/8Wのチップ抵抗を半田付けする方法を紹介します。

写真14、パッドへのフラックスの塗布
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写真14、パッドへのフラックスの塗布

この写真のように、まずR2の両側のパッドにフラックスペンでフラックスを塗布します。次に、片側のパッドだけに半田を盛ります。

写真15、片側のパッドに半田を盛る
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写真15、片側のパッドに半田を盛る
写真16、半田を盛ったパッド
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写真16、半田を盛ったパッド

次に、半田をこてで温めながら、チップ抵抗をピンセットで挟んで左側から半田に寄せていくことで、抵抗の右側の電極だけ、パッドに半田付けします。(仮止め)

写真17、片側の電極を半田付けする
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写真17、片側の電極を半田付けする
写真18、片側の電極を半田付けしたチップ抵抗
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写真18、片側の電極を半田付けしたチップ抵抗

そして、まだ半田付けしていない左側のパッドと、部品の左端の電極にフラックスをもう一度塗布してから、左側のパッドを半田付けします。この際、半田付けが行いやすいように、基板の向きを変えてください。

写真19、残りの電極を半田付けする
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写真19、残りの電極を半田付けする
写真20、半田付けの終了したチップ抵抗
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写真20、半田付けの終了したチップ抵抗
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これで半田付けが終了ですが、最初に仮止めのために半田付けしたパッドの方にもう一度フラックスを塗布し、半田を半田ごてで溶かすと、溜まっている応力がなくなってベターです。

また、半田付けした部品の周囲にフラックスが付着したままになっていますが、フラックスには塩素を含んだものが多く、これが長い時間を掛けて電極やパッドを腐食すると言われています。そのため、工業的に基板を生産する場合は、フラックスを超音波洗浄します。

ただ、アマチュアが超音波洗浄器をフラックスの洗浄だけのために保有するのは現実的ではありません。信頼性の必要な基板でなければ少量のフラックスが付いたままでもいいと思いますし、それがいやなら、フラックス除去用の薬剤を布などに含ませて、フラックスをふき取ります。

写真21、フラックスクリーナー
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写真21、フラックスクリーナー

私は使ったことがないのですが、腐食成分を含まないフラックスもあるようで、これを使えば洗浄の工程は省略しても心配ありません。

リード部品の場合ももちろんフラックスをふき取る方がいいのですが、表面実装部品の場合、フラックスペンで基板に直接フラックスを塗る分だけ、フラックスが残留しやすいみたいです。

以上が、表面実装部品の半田付けの方法の概要です。ピンセットを使った細かい作業になるため、同じ部品数なら、リード部品より表面実装部品の方が半田付けに時間がかかります。

しかしながら、基板を小さくしたい場合は表面実装部品を使わざるを得ない場合がありますし、最近では表面実装部品の方が入手しやすかったり、安かったりする事も多いです。そのため、表面実装部品を使いこなせると、電子工作の世界がぐっと広がります。

リフローで半田付けを行えば、装置が大げさになるものの、表面実装部品の半田付けが見違えるほど速くできます。リード部品を半田付けするよりも、表面実装部品をリフローで半田付けする方が短時間で作業が行えるので、基板をまとまった数(例えば10枚以上)作るなら、リフローを使う方が時間効率がいいです。

また、表面実装部品は狭いスペースで多くの部品をストックしておけるので、空間利用効率も良くなります。下の写真は、1608サイズ(1.6mm×0.8mmのサイズ)の1/10Wのチップ抵抗を、バインダーを使ってストックしている例です。紙テープの中の、黒いゴマ粒のように見えるものがチップ抵抗です。

写真22、バインダーによるチップ部品の保管
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写真22、バインダーによるチップ部品の保管

次のページでは、いよいよリフローによる表面実装部品の半田付けの方法を説明します。

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